「電車が混雑」「1時間早く出た」雪に覆われた首都圏、通勤ラッシュ時にダイヤ乱れも

 東京都心で23センチの積雪を記録した大雪から一夜明けた23日、朝の通勤ラッシュに大きな混乱はみられなかったが、一部交通機関では早朝、除雪作業や安全確認のためにダイヤ乱れが生じるなどの影響も残った。

 埼玉県東松山市から東京駅に通勤する男性会社員(63)は午前6時ごろに始発バスに乗ったが、電車が遅れたため、職場への到着が約40分遅くなったという。男性は「いつも空いているバスが満員になり、乗れない人もいた。早めの行動は重要だが、あまり一斉に動くのもどうか」と疲れをにじませた。

 東京都世田谷区の下北沢駅から電車に乗った会社員の百瀬美佐子さん(50)は「車内はとても混雑していた。電車が遅れているという車内アナウンスがあったので不安だったが、約束の時間に間に合ってよかった」と足早に訪問先へ向かった。

 高速バスが発着するバスタ新宿では、100本以上が運休した。大きな荷物を抱えた観光客の中には、移動手段を電車に変更して目的地へ向かう姿も。愛知県豊橋市から応援しているバンドのライブに来ていたという大学生、井上健人さん(22)は、9時過ぎのバスに乗る予定で7時ごろ渋谷区のホテルを出発したが、バスタに到着してから運休を知ったという。「アルバイトの予定もあるので帰らなければいけない。東海道線や新幹線は動いているようなので電車で帰る」と話して東京駅へ向かった。

 新宿駅前の歩道には雪が多く残り、駅から職場に向かう通勤客らは転倒しないよう慎重に歩いていた。神奈川県藤沢市の会社員、野中充さん(43)は「自宅周辺は昨晩早い内に雪が止んだが、都内はどうなっているのかわからないのでいつもより1時間早い電車に乗った」。滑り止めの付いた、雪山用向けの靴を履き「電車の混乱がほとんどなくて安心した。余裕を持って自宅を出たので、コーヒーを一杯買ってから職場に行きたい」と話していた。