電通社員過労自殺、上司不起訴の審査申し立て 高橋まつりさんの母、東京検察審査会に (1/2ページ)

1月20日、会見する高橋まつりさんの母、幸美さん=東京・霞が関(天野健作撮影)
1月20日、会見する高橋まつりさんの母、幸美さん=東京・霞が関(天野健作撮影)【拡大】

 大手広告会社の電通(東京)の違法残業事件で、過労自殺した新入社員、高橋まつりさん=当時(24)=の母、幸美さん(55)は25日、労働基準法違反容疑で書類送検された元上司の不起訴処分は不当として、東京検察審査会に審査を申し立てたことを明らかにした。

 幸美さんと代理人の川人(かわひと)博弁護士は都内で記者会見し、幸美さんは「違法労働が会社の風土であったからといって上司個人の行為が許されてよいのか、日本全体に問いかけたい」と訴えた。申し立ては昨年12月27日付。

 電通の違法残業事件をめぐっては、厚生労働省が労働基準法違反容疑で法人としての電通と、まつりさんの上司だった元部長らを書類送検。東京地検は昨年7月に電通を略式起訴した一方、元上司を不起訴(起訴猶予)とした。電通は同10月、罰金50万円の東京簡裁判決が確定、元上司はすでに電通を退社している。