宮大工や左官の技を守る 「伝統建築工匠の技」、ユネスコ無形文化遺産申請へ (3/3ページ)

 ■踊りや茶道、和装…どこまで保護対象か

 「伝統建築工匠の技」に続くユネスコの無形文化遺産の候補としては、華やかな衣装で雨ごいをする「綾子踊」(香川)などの伝統行事や、茶道や書道、和装といった生活文化が浮上している。だが地域で伝統をどう継承していくかや、生活文化をどこまで保護の対象にするかという問題があり、いずれも政府による登録申請を見通せる段階にはない。

 文化審議会は、国指定の文化財を遺産候補として順次申請していく方針だ。

 「綾子踊」のほか、地狂言の一種「諸鈍芝居」(鹿児島)や豊作を祈る「多良間の豊年祭」(沖縄)を当面の対象とし、それぞれ全国の同種行事とまとめて申請することを想定している。

 だがこれらの行事には、規模が小さく、担い手不足で継承が危ぶまれるものもある。

 ユネスコは登録の条件として保全体制の整備を求めているため、関係地域が協力して対策を講じる必要があるが、「綾子踊」は地元・香川県まんのう町が同種行事のある自治体と協議会の設立準備を始めたばかり。「諸鈍芝居」や「多良間の豊年祭」は連携相手の検討が進んでいない。

 昨年、新たに選考対象に含めることが決まった生活文化に関しては、保護すべき重要部分がはっきりしている国指定文化財と違い「どこまでを対象にするのか、議論を重ねる必要がある」(文化庁)との指摘が根強い。

 2013年の「和食」で生活文化のユネスコ遺産登録が関心を呼び、関係団体のアピールも活発だが、候補選定には一定の時間がかかりそうだ。