ウイルスなどの進入95%以上防ぐ「マスク」 ナノファイバー使用、信州大発ベンチャー開発 (2/2ページ)

「N95規格マスク」を手に説明する渡辺圭社長(左)と大沢道取締役=長野県上田市(三宅真太郎撮影)
「N95規格マスク」を手に説明する渡辺圭社長(左)と大沢道取締役=長野県上田市(三宅真太郎撮影)【拡大】

  • 電子顕微鏡で撮影した髪の毛(左)とナノファイバーの比較画像(ナフィアス提供)
  • 信州大学繊維学部発のベンチャー「ナフィアス」が開発した「N95規格マスク」=長野県上田市(三宅真太郎撮影)

 「N95規格マスク」は、ナノファイバーを活用することで、市場で販売されている従来品より最大で約70%の薄型化、約60%の軽量化に成功した。従来品は、ナノファイバーより太い繊維を重ね合わせたものが多く、通気性の悪さや装着時の不快感解消が課題だった。医療現場などからは「呼吸がしにくく長時間、装着できない」との声が寄せられていた。

 N95規格とは、米国の保健社会福祉省が定めた基準の一つで、ウイルスなど直径0.3マイクロメートルの粒子を95%以上捕集できる性能を持つことを示す。国際的にも取り入れられている基準だ。

 健康への影響が懸念される微小粒子状物質、PM2.5(直径2.5マイクロメートル以下)、たばこの煙の粒子(直径約0.5マイクロメートル)なども捕捉できる。ウイルスの飛沫(ひまつ)の多くも直径0.3マイクロメートルより大きく、国内外の医療施設における手術室や病棟のほか、空港や官公庁などでパンデミック(世界的大流行)予防にも役立てることが想定されるという。

 渡辺社長は「一度使えば、これまでのマスクとの違いを実感してもらえるはず」と語る。

 今回開発されたマスクは、今月から販売されている。価格は1枚160~180円程度。