スマホのデータ、残して死ねますか? 「第2回デジタル遺品を考えるシンポジウム」レポート (1/6ページ)

 デジタル遺品は「デジタル環境を通してしか実態がつかめない」

 3月3日、アイティメディアのセミナールームで「第2回 デジタル遺品を考えるシンポジウム」が開かれた。会場にはIT関連企業や葬祭関連業などに携わる参加者が30人ほど集まり、“デジタル遺品”という新興のテーマについて学び思いを巡らせた。

※画像はイメージです(Getty Images)

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 まず、デジタル遺品とは何なのか。最初に登壇したデジタル遺品研究会ルクシーの古田雄介理事は「デジタル環境を通してしか実態がつかめないもの」と定義する。

 細かく見ると、スマホやパソコンといった「情報端末」(ハード)と、そこに保存されている各種ファイルやアプリ、設定などの「オフラインデータ」、SNSやネット銀行口座といった「オンラインデータと契約」などに分けられるという。

 これらのデジタル遺品は「現実の家と違って、自分以外の他人が入り込むことを想定せずに使っている人が多い。それゆえにデジタルに詳しい遺族がみても全容が分かりづらく、遺族が知りたいものと本人が隠したいものが混在しています」(古田氏)といった問題がある。それに加えて、スマホのパスワードロックの強固さが近年問題になっているそうだ。

 それらの問題を取り除けば、「普通の遺品なり資産なりとして扱えるようになって、デジタルだからと怖がらなくて済むようになるでしょう」(同氏)というが、現実のサポート体制はまだ整いきれていない。

元気なうちからデジタル資産の「棚卸し」を