三菱マテ最終報告 子会社前社長、隠蔽を指示 データ改竄は77年から (1/2ページ)


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 三菱マテリアルは28日、製品データの改竄(かいざん)問題をめぐる全体の最終報告書を発表した。子会社で自動車部品製造のダイヤメット(新潟市)では、1977年ごろから改竄が行われていた可能性があったという。改竄や最終検査の不実行など不正についての資料を隠蔽(いんぺい)するよう前社長が指示しており、問題の根深さを示した。

 三菱マテリアルの竹内章社長が月額報酬の全額を4月から3カ月間、返上し経営責任を明確にする。

 同日の記者会見で竹内社長は「多くの方にご迷惑をおかけし、誠に申し訳ない」と謝罪。報道陣からは辞任を含めた経営責任を問う質問が集中したものの、竹内社長は「危機感を持って各種施策を進めるのが自身の責任」と述べ、続投する考えを強調した。

 社外取締役や外部の専門家らで構成する特別調査委員会の最終報告では三菱アルミニウム(東京都)、立花金属工業(大阪市)、ダイヤメットの3社に共通して、納期に対するプレッシャーや品質に対する意識の低さ、組織縦割りの弊害があったと原因を分析した。

 今回で不正があったグループ5社の最終報告が完了した。さらに119の製造拠点で実施してきた品質監査でも、91拠点で問題がないことを確認。これを受け、4月1日付で「グループガバナンス強化推進本部」を新設するなどして、再発防止に取り組む方針を示した。

データ改竄問題の経緯