慶応大がiPS創薬で難聴治験、国内2例目 動物実験なしで候補物質を発見へ (1/2ページ)

 慶応大の研究チームは24日、進行性の難聴を引き起こす遺伝性の病気「ペンドレッド症候群」の治療薬候補を人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って発見し、患者に投与する治験(臨床試験)を5月に開始すると発表した。

 iPS細胞を使った創薬研究の治験は、京都大が昨年実施した「進行性骨化性線維異形成症(FOP)」に続き国内2例目で、動物実験を行わずに治験を開始するケースは初めて。

 ペンドレッド症候群は難聴やめまい、甲状腺腫を引き起こす。有効な治療法はなく、国内の患者数は約4千人。音の振動や体の平衡状態を脳に伝える内耳という器官に異常が生じることで起きる。

 チームは患者の白血球から作製したiPS細胞を内耳細胞に分化させ、症状を体外で再現することに成功。詳しく調べたところ、異常なタンパク質が蓄積して内耳細胞が死ぬことが病気の原因と分かった。

 異常なタンパク質の分解を促進する可能性がある約20種類の薬剤を試したところ、臓器移植の際に免疫抑制剤として使われる「シロリムス」(販売名ラパリムス)が有効であることを突き止めた。

「より多くの病気の治療につながるだろう」