初の素粒子衝突に成功 高エネ研の新型加速器「スーパーKEKB」

初の素粒子衝突の様子を示すコンピューター画像。電子と陽電子が中央で衝突し、生まれた素粒子などが直線や弧を描いて飛び散っている(高エネルギー加速器研究機構提供)
初の素粒子衝突の様子を示すコンピューター画像。電子と陽電子が中央で衝突し、生まれた素粒子などが直線や弧を描いて飛び散っている(高エネルギー加速器研究機構提供)【拡大】

  • 新型加速器「スーパーKEKB」(赤い線)と測定器(星印)の位置=茨城県つくば市(高エネルギー加速器研究機構提供)
  • 初の素粒子衝突を喜ぶ高エネルギー加速器研究機構の研究者ら=26日、茨城県つくば市(同機構提供)

 高エネルギー加速器研究機構(茨城県)は26日、新型加速器「スーパーKEKB(ケックビー)」で素粒子同士を衝突させる実験に初めて成功したと発表した。今後、衝突を数多く繰り返すことで宇宙誕生直後に似た環境を再現し、謎の多い当時の状況を知る手掛かりを探す。

 同様の実験は海外や、2010年まで稼働していた高エネ研の旧型加速器でも行ってきた。スーパーKEKBは効率を大幅に上げるため、ビームを細くして含まれる素粒子を増やし、衝突が最大40倍起きやすくなるように設計した。

 素粒子は星や生物を構成する最小単位。実験で用いる素粒子は電子と、電気的に反対の性質を持つ陽電子だ。光速近くまで加速して衝突させ、新たに生まれる素粒子などの振る舞いを精密な測定器で調べる。

 現在の理論が想定していない現象が見つかれば、未知の素粒子が存在する証拠が得られる可能性もある。

 前身の旧型加速器での実験は、08年のノーベル物理学賞を受賞した小林誠、益川敏英両氏の理論の正しさを証明した。高エネ研特別栄誉教授を務める小林さんは「実験で得られるデータ量も多く期待している」と話している。