【衝撃事件の核心】親の責任感と孤立の末、四半世紀も監禁された息子 周囲の支援、あり方は (4/5ページ)

内部におりが設置されていたプレハブ倉庫=兵庫県三田市
内部におりが設置されていたプレハブ倉庫=兵庫県三田市【拡大】

  • 長男がおりに監禁されていた状況のイメージ

 一家の異変…周囲も認識

 父親は1月に市職員と面会した際、長男の世話に加え、末期がんで闘病中の妻の介護で憔(しょう)悴(すい)しきっていた。そうした状態になるまで、福祉施設への入所を行政に相談しなかった理由について、父親はこう続ける。

 弁護士「福祉施設の世話になろうとは考えなかったのか」

 父親「希望しても順番待ちで入れないと思った」

 弁護士「行政機関に相談しなかったのはなぜ」

 父親「親が元気な間は面倒を見たいと思った。ところが妻の命が長くないと知り、(死去直前に)相談した」

 弁護士「父親としての責任はどう考えているのか」

 父親「もっと早く行政に相談して施設に入れる努力をすべきだった。反省している」

 後悔の念を口にする父親だが、一家の異変には周囲も気づいていた。

 近所に住む無職の60代女性は取材に対し、「障害のある人が住んでいるという噂は聞いたことがある」。一家の向かいに住む80代女性は「たまに『わー』という叫び声が聞こえた」と話し、「周囲が無関心だったために(父親は)誰にも相談できなかったのかもしれない」と気遣った。

 市によると、平成5年ごろの自宅訪問とは別に、5年ほど前にも親族が社会福祉協議会に長男について相談した。ところが、生命の危険はないとして保護は見送られていた。

 一家に対する市の対応をめぐっては、1月の長男保護から県警への通報まで約1カ月を要するなど不手際も明らかになっている。市は一連の対応が適切だったかどうかを検証するため、社会福祉士や弁護士らで構成する第三者委員会を設置して関係者への聞き取りなどを進めている。

障害者差別も背景に?