世界文化賞 各部門の選考理由

ピエール・アレシンスキー氏
ピエール・アレシンスキー氏【拡大】

  • 中谷芙二子氏
  • クリスチャン・ド・ポルザンパルク氏
  • リッカルド・ムーティ氏(C)ToddRosenbergCourtesyofRMMusic
  • カトリーヌ・ドヌーヴ氏

 ■ピエール・アレシンスキー氏(絵画部門)

 70年ほど前のベルギーや北欧の前衛美術運動に参加して以来、絵画に対する情愛を一貫して持続。鮮やかな色彩と激しい筆遣いで、独自のスタイルを確立した。ヨーロッパ現代絵画に大きな影響を与え、90歳の今も活躍している点は称賛に値する。

【プロフィル】ピエール・アレシンスキー氏

 Pierre Alechinsky ベルギーを代表する現代美術家。国際的な前衛美術集団「コブラ(CoBrA)」(1948~51年)で活躍。書道の影響を受けた自由な筆さばきと、乾きやすいというアクリル絵の具の特性を生かし、自身の内面を大胆に表現している。

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 ■中谷芙二子氏(彫刻部門)

 イサム・ノグチが彫刻を「大地の彫刻」へ、ジェームズ・タレルが「光の彫刻」へと拡大したなら、中谷氏はそれを、霧を使った「大気の彫刻」へと拡大したといえる。環境意識が高まる中、世界でもまれな「霧の彫刻家」として存在意義を高めている。

【プロフィル】中谷 芙二子氏

 Fujiko Nakaya 1970年の大阪万博で、水を用いた人工霧による「霧の彫刻」を初めて発表。以来、世界各地で霧を使ったインスタレーション(設置芸術)やパフォーマンス、環境彫刻などを80作品以上手掛け、“霧のアーティスト”として世界的に知られる。

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 ■クリスチャン・ド・ポルザンパルク氏(建築部門)

 実践家としての建築家像を大きく変容させ、高い哲学性と芸術性を内在させた建築を強く志向する。コレージュ・ド・フランス(仏高等教育機関)の芸術創造講座で教授を務め、建築を「知の領域」の最先端に引き上げた点も評価される。

【プロフィル】クリスチャン・ド・ポルザンパルク氏

 Christian de Portzamparc 大胆なデザインと高い芸術性が特徴的なフランスを代表する建築家・都市計画家。フランスの「音楽都市」で一躍有名になり、福岡市の「ネクサス集合住宅」などが高く評価されている。1994年、プリツカー賞受賞。

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 ■リッカルド・ムーティ氏(音楽部門)

 指揮者としての並外れた業績に加え、特にヴェルディ作品への貢献については歴史的価値がある。コンサートを通して多様な背景を持つ人々をつなぎ合わせる「友情の道プロジェクト」を約20年間も継続。若手音楽家の育成にも尽力している。

【プロフィル】リッカルド・ムーティ氏

 Riccardo Muti 世界の音楽界をリードするイタリアの指揮者。フィルハーモニア管弦楽団の首席指揮者やフィラデルフィア管弦楽団の音楽監督を歴任。イタリアの歌劇王、ヴェルディの作品への理解力には定評がある。2016年、旭日重光章受章。

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 ■カトリーヌ・ドヌーヴ氏(演劇・映像部門)

 微妙な感情を表現する才能があり、世界の映画界で最も優れた女優の一人。ベネチア、ベルリンの両映画祭で女優賞を受賞。リスクを恐れず、癖のある役に果敢に挑戦して成功を収め、あらゆる層の観客に支持される。社会的発言でも注目されている。

【プロフィル】カトリーヌ・ドヌーヴ氏

 Catherine Deneuve ミュージカル映画「シェルブールの雨傘」で可憐(かれん)なヒロインを演じ、一躍世界的スターに。キャリアは半世紀を超え、出演作は100本以上。セザール賞主演女優賞を2度獲得するなど、フランスを代表する女優として活躍している。