酷暑で蚊もへたばった? 殺虫剤の売り上げ10%減、梅雨の短さも影響か (2/2ページ)

猛暑日続きで蚊もへたばる?
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 害虫防除技術研究所(千葉県)によると、国内に生息している代表的な蚊は「ヒトスジシマカ」と「アカイエカ」の2種類。25~30度で活動が活発化するが、30度超になると日中に飛び回ることが減る。夜行性のアカイエカと比べ、昼行性で暑さに強いヒトスジシマカも35度超となると動きは鈍り、日陰や葉の裏で休むことが増えるという。

 同研究所の白井良和所長は「人間と同様、蚊も猛暑でへたばる。日中に飛び回ることが減り、肌感覚として『蚊が少ない』と感じる人が多いのでは」と話す。

 蚊の生態などを研究する長崎大熱帯医学研究所の砂原俊彦助教(衛生動物学)は「蚊の寿命は10日間程度だが、30度以上の日が続けば屋外にいる蚊の死亡率は高くなり、寿命がより短くなる」と指摘。実際に蚊が減ったのかは不明とした上で、「今年は梅雨が短く猛暑日が続いたことで、蚊の発生源となる水たまりが干上がったり、幼虫が乾燥したりして、成虫の蚊が少なくなった可能性がある」と分析している。

(小松大騎)