猛暑・熱波が世界の安全を脅かす 難民、内戦、国際紛争…国内外の最新の状況を探る (3/3ページ)

国内観測史上最高の気温「41.1度」を表示する埼玉県熊谷市内の温度計=7月23日
国内観測史上最高の気温「41.1度」を表示する埼玉県熊谷市内の温度計=7月23日【拡大】

  • エチオピア東部ソマリ州で干魃に見舞われ、木の下に避難する家族ら=2017年9月(WFP/PETER・SMERDON提供、共同)
  • 安全保障理事会で温暖化問題について発言するアミナ・モハメド副事務総長=7月(国連提供)
  • 2018年6月の世界の平均気温に関する米航空宇宙局(NASA)の画像。1951~80年の平均との差を示す。高緯度地域で高温が目立つ(NASA提供)

 中東・オマーンのクリヤットは6月28日の最低気温が42.6度だった。最低気温の「高さ」に関する公式記録はないが、WMOによると、これは過去最高だったとみられる。

 アルジェリアでは7月5日に51.3度を記録するなど、この夏の熱波はアフリカ、ロシア、欧州、北米とほぼ北半球全域を覆っている。

 北米は7月初めに激しい熱波に見舞われ、米カリフォルニア州では各地で40度台後半の最高気温を記録、高温で知られるデスバレーでは52度に達した。カナダ・ケベック州などで発生した熱波では50人超が命を落とした。

 高温はロシアのシベリアから北欧にかけても観測され、各地で最高気温が30度を超え、異常な小雨も加わってロシアやノルウェー、スウェーデンで山火事が多発する事態になった。

 専門家は「これほど記録的な猛暑が、これほど広範囲に発生したのは過去にほとんど例がない」と指摘する。

 地球温暖化の進行が影響しているとする見方も多い。多くの気候モデルが、大気中の二酸化炭素(CO2)濃度が高まると、異常高温の発生頻度が高まり、豪雨や干魃などの激しさが増すことを予測しているからだ。環境省や気象庁が今年2月に発表した報告書「日本の気候変動とその影響」は、1931~2016年の間に異常高温の出現数、猛暑日や熱帯夜の日数が有意に増加したと指摘。温暖化が進むと、今世紀末までに猛暑日の日数や、バケツをひっくり返したような短時間の強い雨の発生回数はさらに増えると警告している。

 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)も15年の報告書で「今世紀末には20年に1度の激しい雨が、場合によっては5年に1度の頻度で起こるようになる可能性がある」としている。WMOの専門家は「個々の熱波や豪雨を温暖化の影響だと結び付けることは不可能だが、これらの現象が温暖化によって増えるのは確かだ」としている。