“プラモの聖地”岡山の「エラヤ」閉店へ 豪雨で数十万点浸水、再建へ目処たたず (1/3ページ)

水没商品の9割引セールを行う玩具店「エラヤ」を訪れたプラモデルファンら=8日、岡山県倉敷市真備町(寺口純平撮影)
水没商品の9割引セールを行う玩具店「エラヤ」を訪れたプラモデルファンら=8日、岡山県倉敷市真備町(寺口純平撮影)【拡大】

 西日本豪雨で甚大な被害を受けた岡山県倉敷市真備町(まびちょう)では、“プラモの聖地”と呼ばれる店も、閉店を余儀なくされた。全て含めると、店内に並ぶプラモデルや模型などは数十万点。希少価値のある商品を求めて俳優の石坂浩二さんも来店したという名店だが、再建を断念した。開催中の閉店セールには多くのファンが訪れ、別れを惜しんでいる。(尾崎豪一)

 「いらっしゃい。いっぱい買って帰って」。玩具店「エラヤ」の店長、団迫(だんさこ)敬郎(けいろう)さん(62)は店頭に立って、訪れた常連客らに気さくに呼びかけていた。

 店内に入ると、床はまだ一面の水たまり。戦艦模型やガンダムのプラモデル、戦車のラジコンなどの箱が天井近くまで所狭しと積み上げられているが、全てが泥まみれだ。あまりの光景にファンらは「限定モデルが…」とため息をつきながら品定めを続けていた。

「ファンにとっては一緒に飾る箱も重要」