自販機で“焼きたてピザ”!? 広島で設置、連日大行列

ピザの自動販売機の前に並ぶ人たち=広島市
ピザの自動販売機の前に並ぶ人たち=広島市【拡大】

  • 自動販売機から出てきた焼きたてのピザを手にする子どもたち=広島市

 広島市に設置されたピザの自動販売機がインターネットの会員制交流サイト(SNS)を通じて話題となり、連日行列ができる盛況ぶりとなっている。ピザの本場、イタリア製でいつでも焼きたてを味わえるのが人気の理由だ。設置した市内の企業は国産の自販機も開発中で「全国に広めたい」と意気込んでいる。

 自販機はイタリア・ベネチアの職人が1枚ずつ手作りした生地を、180~260度の熱で約5分かけて焼き上げる仕組みで、「マルゲリータ」と「4種チーズ」の2種類がある。

 7月28日に同市西区のレンタルビデオ店前に設置され、すぐにツイッターで話題に。1週間後には行列ができ、多いときには約40人が並ぶ。遠方から訪れる人もいて、東京都荒川区のアルバイト三浦あかりさん(24)は「インスタ映えもするし、広島のいい思い出になった」と満足げだ。

 自販機を設置した物流会社、イーライン(広島市中区)の谷口佳陽社長(43)は元々トラック運転手。深夜の勤務中に「夜でも食べられる焼きたてピザがあれば」と思い付いたのが起業のきっかけだ。イタリアにピザの自販機があるのを知って現地企業に頼み、数年かけて日本向けの自販機とピザを開発した。

 現在は国内の製造会社8社とともに湿気の多い日本の気候により適した自販機を開発中だ。谷口社長は「日本にはまだまだたくさん挑戦のチャンスが転がっている。広島から全国へと自販機を広めていくのが目標」と語った。