【eco最前線を聞く】産学共同研究で洪水リスク「見える化」 (1/2ページ)

「気候変動による洪水頻度変化予測マップ」のイメージ(提供=芝浦工業大学平林由希子教授)
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 □MS&ADインターリスク総研 リスクマネジメント第三部環境・CSRグループ 寺崎康介上席研究員

 MS&ADインシュアランス グループ ホールディングスは、保険会社として気候変動への課題にグループを挙げて取り組んでいる。その一環として今年5月、東京大、芝浦工業大と洪水によるリスク分析に関する気候変動研究プロジェクトを立ち上げた。共同で研究に当たるMS&ADインターリスク総研のリスクマネジメント第三部環境・CSRグループの寺崎康介上席研究員は、気候変動が経営を揺るがすリスクに顕在化しかねない中で「洪水リスクの『見える化』により、企業が事業への影響を定量的にマネジメントに反映できる高い精度を備えた研究にしたい」と意欲的だ。

世界の予測マップ公開

 --プロジェクトの内容は

 「プロジェクト『気候変動による洪水リスクの大規模評価』の立ち上げに当たり、地理情報システム(web-GIS)で閲覧できる『気候変動による洪水頻度変化予測マップ』を一般公開した。20世紀末(1971~2000年)に100年に一度の確率で生じる洪水が、21世紀(2071~2100年)に何年に一度の頻度で起きる可能性を表す。活用すれば温室効果ガスの排出量シナリオに応じ、世界各地の洪水発生頻度が今後どう変化するかをシミュレーションできる。さらに、アジアの大河川を対象に、過去の洪水の発生確率に関する温暖化の影響を広域、定量的に評価する共同研究に着手した」

 --洪水予測マップの特徴は

 「企業は洪水による最悪のケースを想定できる。例えば、タイのバンコクを流れるチャオプラヤ川と対象を絞り、洪水頻度の変化を把握できる。グローバルに事業展開する企業にはサプライチェーンを含め世界各地の洪水リスクを机上で確認できる有益なツールになる」

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