なぜイチゴ栽培? 奈良の建設会社が取り組む「新しい産業の形」 (1/3ページ)

 記録的な猛暑や豪雨に見舞われた今夏、全国的に農作物が被害を受け、価格高騰が消費者の財布を直撃した。そんな中、気候に左右されずに年中甘くておいしいイチゴを収穫できる「閉鎖型植物工場」が奈良市内に完成し、今月からイチゴの一般販売(直売のみ)が始まった。取り組むのは同市の建設会社「中村建設」。なぜ建設会社がイチゴなのか。そこには農業でも工業でもない、新しい産業の形があった。(田中佐和)

1粒700円以上の「とろける香りいちご」

1粒700円以上の「とろける香りいちご」

 化学農薬は不使用

 同社の「いちご工場」は昨年6月、奈良市内の倉庫の一角を改造して造られた。工場内に入ると、大きなガラス窓の向こうに、イチゴをたわわに実らせた栽培棚が整然と並んでいた。太陽光の代わりに照射される発光ダイオード(LED)の白い光に、葉の緑と赤い実が美しく映える。

 収穫されたイチゴをかじると、濃厚な甘みと香りが広がった。商品名は「とろける香りいちご」(品種は新潟県の『越後姫』)。大きな実は1粒700円以上する高級イチゴだ。

“365日”も強み