昆虫を取り巻く東京の環境異変、“昆虫一家”の2代目に聞く (1/3ページ)

無人島の昆虫調査では、海を泳ぎ崖をよじ登るという須田真一さん。昆虫標本展の会場で=文京区本郷
無人島の昆虫調査では、海を泳ぎ崖をよじ登るという須田真一さん。昆虫標本展の会場で=文京区本郷【拡大】

 【TOKYOまち・ひと物語】中央大学保全生態学研究室協力研究員・須田真一さん

 東京の昆虫のことならこの男に聞け、といわれるほどの“虫通”がいると聞いて、会いに出かけた。中央大学保全生態学研究室協力研究員の須田真一さん(50)。「日本のファーブル」と呼ばれた昆虫研究者を父に持ち、自身も年間100日以上を昆虫の調査などフィールドワークにあてているという昆虫一家の2代目。東京の虫たちを取り巻く環境異変を鋭く見据えている。(石塚健司)

 父は「ファーブル」

 「これ見たことあります?」と須田さんが名刺代わりに差し出したのは古い本の表紙の画像だ。昭和50年代に人気があった児童書「学研まんが 昆虫のひみつ」。監修したのが須田さんの父、孫七氏(今年4月、86歳で死去)で、漫画に出てくる少年のモデルが須田さんだ。

 父のお供で虫を追いかけ各地を旅した少年時代。学校の遠足にまで虫捕り網を持参する少年を教師らも温かく見守ったそうだ。

 高校時代、進路で悩んだ。虫ばかり追っていて生活できるのか。日本の昆虫学はアマチュアの研究者が支えてきた側面がある。須田さんの父も教師が本業だった。つまり、それだけ昆虫学では食えないのだ。

中途半端よりも「突き抜ける」道を選んだ