【松本真由美の環境・エネルギーDiary】山梨でカーボンゼロ社会への布石 (1/3ページ)

「ゆめソーラー館やまなし」の外観=甲府市
「ゆめソーラー館やまなし」の外観=甲府市【拡大】

  • 「ゆめソーラー館やまなし」の燃料電池などの装置=甲府市
  • P2G技術を開発するための実証施設
  • 水素技術センター

 甲府市の南部、米倉山にある水素・燃料電池の研究開発施設を先日、視察してきました。山梨県内には、燃料電池関連の最先端の技術開発を行っている山梨大学などの研究開発拠点があり、同県は水素ステーションの誘致や燃料電池車(FCV)の普及促進を図りながら、水素・燃料電池産業の集積地「やまなし水素・燃料電池バレー」の実現に向け、積極的な取り組みを進めています。

 10年前から始まった構想

 同県は、「山梨燃料電池実用化推進会議(現:やまなし水素・燃料電池産業化推進会議)」を2009年に設立し、水素・燃料電池バレーの実現に向けた取り組みの方向性について意見や情報交換を行ってきました。15年には、県内の関係機関からなる「やまなし水素・燃料電池ネットワーク協議会」を設立し、産学官が連携した取り組みを推進しています。「水素エネルギーの利用拡大」「CO2フリー水素サプライチェーンの構築」「水素・燃料電池関連産業の振興」が30年度に向けた取り組みの柱となっています。

 山梨県内には現在、商用水素ステーションとして16年2月にオープンした「イワタニ水素ステーション甲府」がありますが、「山梨県燃料電池普及促進計画」(14年7月策定)に基づき、水素ステーション整備設置事業費補助金として、整備費の4分の1(上限9500万円)、土地賃借料の全額を10年間助成し、事業者の誘致を進めたものです。普及初期段階の需要を喚起するため、FCV購入者への助成制度も創設し、10台を対象に1台当たり50万円の補助を行い、県の公用車としてもトヨタ自動車のFCV「MIRAI(ミライ)」を3台導入しています。15~25年にかけて、FCV800台、燃料電池バス(FCバス)10台を県内に導入する目標を掲げています。

 米倉山の研究開発拠点

 今回は、トヨタのFCバス「SORA」に試乗し、米倉山にある水素・燃料電池関連の研究開発施設を訪ねました。ここには、P2G(Power to Gas)システム(再生可能エネルギーの電力を水素に変換、貯蔵、利用する技術)の開発や、水素ステーションの安全運用技術などの拠点が集まっています。

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