米カリフォルニア州山火事、対策は建築基準厳格化 (1/2ページ)

カリフォルニア州パラダイスで山火事後の現場を調べる消防士(ブルームバーグ)
カリフォルニア州パラダイスで山火事後の現場を調べる消防士(ブルームバーグ)【拡大】

 米カリフォルニア州で過去最大級の山火事が発生し、甚大な被害が出ている。これについて専門家らが示す解決策は明快だ。火事で延焼する可能性の高い場所での建築をやめ、そうした所にある全ての既存住宅を対象に、かなり厳しい建築基準を課すというものだ。

 住宅が不足している上、木々が立ち並ぶ地形に人々が住みたがる州でそのような措置を取るのはとりわけ高くつき、不評を買うかもしれない。だが、気候変動の影響で山火事が頻繁に発生して未曽有の惨事を招く中、専門家らはそれ以下の対策では状況を改善するには至らないと主張する。

土地の利用法に問題

 オバマ前大統領時代に国家安全保障会議のレジリエンス政策担当上級部長を務め、現在はスタンフォード大学フーバー研究所のリサーチフェローであるアリス・ヒル氏は「土地の利用法の問題だ。火災危険エリアに多くの住宅が建設されなければ、これほどすさまじい被害には遭わないだろう」と話す。

 その上で同氏は、土地の利用法にかかる規制強化を阻んでいるのは文化的価値に加えて経済的価値があるとして、「マリブの山腹の住宅は海が見渡せる素晴らしい景観で、そうした分譲地には高い価値が付く。地元当局に対しては開発許可を求める圧力がかかる。税収の基盤を拡大し、市の収入源になる」と指摘した。

 カリフォルニア州で山火事が多発するパラドックス(逆説)は、同州が全米有数の厳しい建築規制をかねて導入している点にある。同州は最新版の建築基準を適用し、州内の自治体政府が当該基準から逸脱することを認めていない。また、山火事の危険が最も高いエリアで住宅を建設する際には、耐火性が高い建設資材・工法の利用を義務づけている。

 3年ごとに模範的な建築基準を公表する国際基準評議会(ICC、ワシントン)の政府担当シニア・バイスプレジデント、サラ・ヤーキス氏は「常にカリフォルニアを見本にしている。同州は真摯(しんし)に責務を果たそうとしているのは明らかだ」と評価するものの、建築基準はベースラインとして定められたもので、「現在、(火事のリスクが高い)エリアで暮らす人は多い。その点について、地元自治体は検討する必要があるかもしれない」と語る。

 山火事の専門家らは、同州の住民と住宅が直面している危機を減らす上で、さまざまな具体的な改革案を示している。

古い建物にも現行法