【高論卓説】明らかになりつつある温暖化と海洋生態系の関係 日本の水産業、酸性化対策が急務 (1/3ページ)

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 温室効果ガスによる地球温暖化の影響の一つとして、海洋環境が注目され始めている。海面水位と海水温の上昇に加え、海に二酸化炭素(CO2)が溶け込むことで進行する海洋の酸性化。これらがトリプルパンチとなって、海洋生態系に大きな影響をもたらすと危惧されるのだ。

 東京・お茶の水で7月31日に開かれた「海生研シンポジウム」では、気候変動が海の生態系や生物に与える影響を専門家が報告した。

 海洋生物環境研究所(海生研)中央研究所の喜田潤所長代理によると、地球の平均気温は過去100年当たり約0.8度、海面水温は約0.5度上昇した。

 これにより、中高緯度の多くの地域で2001~10年平均と比べて51~60年平均の最大漁獲可能量が半分以下になるとIPCC(気候変動に関する政府間パネル)は予測する。

 「この予測は水温上昇以外の要因を考慮しておらず、実際はさらに減ることも考えられる」と、喜田さんは指摘する。厳しい温暖化対策を取れば、海洋酸性化はある程度抑えられる可能性があるが、海面上昇は止められない。極域での雪氷の融解が続き、低い土地の消失やマグロなどの資源変動が危惧されるという。

 国立研究開発法人海洋研究開発機構の原田尚美・地球環境観測研究開発センター長代理は、北西太平洋の外洋域に加え、沿岸域でも酸性化が進んでおり、炭酸カルシウムができにくい環境になっていると話した。

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