【論風】方向性抜き、IPCC報告 「1.5度報告」評価できるもすべきは「行動目標」 (2/2ページ)

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 そこで筆者が提案したいのは、世界の温度上昇目標を「何度」とは特にいわずに、温室効果ガス、中でもその大宗を占めるCO2排出をゼロにする、という行動目標を各国共通の目標として、それぞれがその目標へ向けて努力をしたらどうか。「これだと現在のNDCの状況からみればCO2の削減の歩みは遅々として進まないだろう」という意見は出るかもしれない。

 しかし、現実の世界が温度上昇を最終的に防ぐ、という目的の前に共通して実際にできるのはこの方策しかないのではないか。そう筆者は強く主張したい。

【プロフィル】茅陽一

 かや・よういち 東大工卒、同大学院修了。東大電気工学科教授、慶大教授を経て、1998年地球環境産業技術研究機構副理事長、2011年から現職。83歳。北海道出身。