ソ連で生まれた1100代目の「ハエ」、まさかの“お宝”に!? なぜ注目されているのか (3/6ページ)

 流郷:ストレスに強くて、すぐに太るイエバエを育成するためなんですよね。

 満員電車のなかで、通勤をするのは大変ですよね。人間と同じように、ハエも過密空間のなかで生きていくのは大変なんです。それでも生きていける能力があって、卵をよく産む。その卵がふ化して、ふ化した幼虫は太りやすい。こうした種を見つけ出して、選別交配しているんです。

 旧ソ連は宇宙で長期滞在するために、イエバエに注目しました。食料循環サイクルに活用する予定だったのですが、過密空間の中だったので、すぐに死んでしまったんですよね。旧ソ連は過密空間のなかでも、生きていける種を選別するノウハウを持っていたので、それを先代が購入したわけです。

 イエバエ界のサラブレッドを保有

 土肥:いまも選別交配を続けているんですよね。ということは、1100代目よりももっと能力の高いイエバエが誕生するかもしれない?

 流郷:はい。数字を見ると、いまもストレスに強くなっていて、早く太るようになっているんですよね。限界はどこかにあると思うのですが、いまのところその限界がどこなのかはよく分かりません。

 土肥:1100代目のイエバエは、外見に特徴はあるのでしょうか?

 串間:いえ、ありません。人間の子どもを見て、「この子はストレスに強そうだなあ」って分からないですよね。それと同じ。実際にストレスを与えて、そこで強いのか弱いのかを判断しなければいけません。

 土肥:ハエって、そのへんに飛んでいますよね。それをつかまえて、ムスカと同じように飼料と肥料を生産する会社が出てくるかもしれません。「あの会社はよくもうけているようだ。ウチもやろうぜ」と。

 串間:どうぞ、どうぞ、やってください。ただ、すぐに大量生産することは難しい。なぜか。先ほども申し上げたように、当社は交配を重ねて品種改良を行ってきました。結果、ストレスに強くて、すぐに太って、卵をよく産んで、ふ化した幼虫は太りやすい--といったスーパーエリートをつくり出すことができました。

 G1のダービー馬は「血統」が大事ですよね。G1に出走する競走馬と野生馬を交配させると、仔馬(こうま)はどうなるのか。親のような競走馬には、なれません。野生馬と交配を続けると、どんどん駄馬に近づいていく。じゃあ、サラブレッドになるにはどうすればいいのかというと、優れた血統を持つ馬と交配を続けるしかないんですよね。

 土肥:イエバエ界のサラブレッドを保有しているので、新規参入は「どうぞ、どうぞ」という感じなわけですね。もしワタシがそこらへんに飛んでいるハエをつかまえて、同じようなことをしても、ふ化したときに仲間がたくさんいるので、幼虫はどんどん死んでしまう。残ったわずかなモノでもやっていけないことはないかもしれませんが、それだと大量生産は難しいわけですね。

 魚が大きくなった

 土肥:イエバエを使って飼料や肥料をつくっているので、心配もあります。安全面の問題はどうでしょうか?

立証するために、愛媛大学と一緒に調べた