おみくじの“大吉”に喜ぶ人に教えたい歴史の言葉 (1/5ページ)

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 凶を引いて「最悪だ」と凹む息子にかける言葉

 今年もたちまち過ぎて残り1カ月にも満たなくなってしまった。光陰矢の如し、とはよく言ったもので、つい先日、初詣に行ったと思ったら、次の年の初詣がすぐそこまでやってきている。

 今年の正月に引いたおみくじは、確か大吉だったと記憶している。とはいえ、何が書いてあったかは覚えていない。ただ、その時の物寂しい気分だけが思い出される。そして、凶を引いて「最悪だ」と凹んでいる息子に、「凶というのは、凹んだ中から芽(メ)が出る兆しのことだ」と話をしたのを思い出した。

 おみくじの起源は「フェミニズム運動の資金捻出」だった

 ものの本によれば、おみくじの原型は、平安時代に天台宗の最高位にあった良源(通称、元三大師)が考案したものであるという。おみくじは、いまでは神社の専売特許のようだが、その出自は仏教にあったわけだ。それが現在の形になったのは、明治38年のことらしい。なんでも、二所山田神社21代目の宮司・宮本重胤が、男性しかなれなかった神職に女性も就けるようにしよう、女性の自立を促そうと、いまで言うフェミニズム運動の資金を捻出するために、おみくじを始めたのだそうだ。

 お盆に、ハロウィン、クリスマスに、初詣と、どんな宗教色のある行事もたちまち年中行事やビジネスに変えてしまう日本のお国柄は、良く言えば宗教に寛容で、悪く言えば無頓着だと言うことになろう。日本人の多くがあまりに宗教に無頓着なので、中には、日本人は無宗教なのだ、と言う人たちもいる。当たらずとも遠からずと言う気もするが、かといって、日本人が神様を信じていないかと言えば、そうでもない。

 「受験前、神や仏に様をつけ」

 確かこんな川柳があったはずだ。普段は宗教を意識することなど滅多にない人たちも、ここ一番と言うときには、神様、仏様と頼りにする。年の初めも同じだ。今年という年が、自分にとってどんな年になるのか、どうしていけばいいのか、おみくじを引いて神様にお伺いを立ててみたくなる。それが人情というものなのだろう。

 警察庁が、2009年まで集計していた統計によれば、2009年時点で初詣のために参拝した人たちの総数は9939万人であったと言うから、初詣がいかに国民的な行事であるかがよくわかる。仮にその中の一割がおみくじを引いたとしても、その数はとてつもない数になる。おみくじが、神社にとって大きな収入源であることは間違いなかろう。

古人の考えとは違う