【水と共生(とも)に】大干魃で水枯渇の危機 南アフリカ、ケープタウンのいま (1/3ページ)

ビール醸造所内にある泉の水でプラスチック製のボトルを満たす住民=ケープタウン(ブルームバーグ)
ビール醸造所内にある泉の水でプラスチック製のボトルを満たす住民=ケープタウン(ブルームバーグ)【拡大】

  • ケープタウン近郊の村で、共同水栓から水をプラスチック容器に入れる住民(ブルームバーグ)
  • ドローンで撮影された干魃に見舞われたスイスの湖。水位は7メートル下がったといい、干魃は世界規模で進んでいる(AP)

 アフリカ大陸の最南端に位置する南アフリカ。乾燥した土地として知られるが、南西海岸沿いにあるケープタウンは地中海性気候で豊かな緑と水資源があり、観光の名所になっている。そのケープタウンで、市民(人口400万人)が使う水がゼロになる危機に直面している。急激な人口増加と記録的な干魃(かんばつ)が、深刻な水不足を引き起こし、「世界で初めて水が枯渇する国際都市になる」と危惧されている。ケープタウンはいま、どうなっているのか。

 年末にも水道使用不可に

 ケープタウンがあるケープ半島は地中海性気候で、はっきりとした季節がある。5~9月(冬)は大西洋からの寒冷前線が雨をもたらし、年間降水量の大半は冬季に集中している。海岸部の年間平均降水量は515ミリだが、山間部では1500ミリにもなる。10~3月の夏季は暑く乾燥している。水資源の危機は突然やってきた。市内にある6つのダムは2014年時点で満タンだったが、それから3年にわたって大干魃が続き、ダムの貯水率が減少していった。

 干魃の影響は市民生活だけでなく、農作物、観光客の減少などのかたちで表れている。ケープタウン周辺のダムの平均貯水率は18年4月時点で16%にまで低下した。ダムの専門家によると、ダムにためられた水のうち実際に使用できるのは貯水率10%までといい、10%以下になると泥が含まれるようになり、水資源として使用できなくなるそうだ。このままでは年末に、水道が使えなくなる“デイゼロ”になるだろうといわれていた。

節水呼びかけも、市民の半数が無視