【寄稿】COP24カトヴィツェ会議が閉幕 (2/2ページ)


【拡大】

  • COP24の会場入り口=ポーランド・カトヴィツェ(C)WWFジャパン
  • これまでに開かれたタラノア対話のとりまとめ会合の様子(C)WWFジャパン

 ◆「タラノア対話」の成果

 タラノア対話については、第1週目の12月6日に統合報告書が公表された。COP24開催前に開かれた各種関連イベントや、国連に提出された削減強化に向けたアイデア・意見をまとめたものだ。第2週目(12月11、12日)には、各国の大臣らが参加してのタラノア対話政治フェーズが開かれた。各国の大臣らが21のグループに分かれ、対話を行った。

 大臣らが語ったストーリーの中には興味深いものもあった。しかし、それ以上に大事なのは、タラノア対話を受けて、COP24として具体的にどのような対応をとるか、だった。

 タラノア対話では、気候変動の危機の深刻さや、より進んだ取り組みの必要性が強調された。COP24に先立つ10月にIPCC(気候変動に関する政府間パネル)が公表した1.5℃特別報告書でも、世界の平均気温は3℃上昇に向かっていて、対策強化の必要性が指摘された。タラノア対話の“名付け親”であるフィジーのバイニマラマ首相も、タラノア対話の閉幕時、削減目標引き上げの必要性を訴えていた。

 会期終盤、パリ協定の成立時に最後の一押しを演じた「高い野心同盟」と呼ばれる国家グループに属する国々の声や、企業・自治体などの非国家アクターの連合体からの声明もあり、COP24として削減強化に向けた意気込みを示すよう後押しがあったが、難航した。

 最終的には、各国はタラノア対話の成果を考慮して国別目標の準備を行う、という決定が採択された。目標の「強化」について明示的には言及されていないが、同じ決定の中で1.5℃特別報告書について言及しており、同報告書が示した対策の緊急性を踏まえれば、対策強化は必須である。

 ◆パリ協定の実施と対策強化

 「ルールブック策定」というCOP24の成果を受けて、パリ協定は本格的な運用に向かうことになる。

 ルールブックは、細かいところでまだ詰めなければいけない部分もあり、ルールに関する交渉が完全に終わるわけではないが、今後は「ルールの策定」から「ルールの実施」に重きが置かれていくだろう。

 また、タラノア対話を受け、各国は2019年9月の気候サミットまでに、削減目標強化を打ち出すことが期待される。その呼びかけに、日本はどう応えるのか。2019年のG20で議長国を務める日本のリーダーシップが問われることになる。

【プロフィル】山岸尚之

 2003年に米ボストン大大学院修士号を取得後、WWFジャパンで温暖化とエネルギー政策提言に従事。