南北が鉄道連結の着工式 実現には国連安保理の承認必要

ソウルと平壌の方角を示す標識の下で記念撮影に臨む南北の高官=26日、着工式が開かれた北朝鮮の開城(AP)
ソウルと平壌の方角を示す標識の下で記念撮影に臨む南北の高官=26日、着工式が開かれた北朝鮮の開城(AP)【拡大】

 北朝鮮と韓国は26日、南北の鉄道連結事業の着工式を行った。国連安全保障理事会と米国が課している制裁では、燃料の輸送と北朝鮮に資金が渡る可能性のある経済活動が禁止されており、韓国は着工式を国連制裁から免除することを安保理に認められたと説明している。

 聯合ニュースなど韓国メディアによると、着工式は北朝鮮の開城(ケソン)で現地時間午前10時(日本時間同じ)に始まり、韓国の趙明均(チョ・ミョンギュン)統一相や北朝鮮の祖国平和統一委員会の李善権(リ・ソングォン)委員長のほか、中国、ロシア、モンゴルの運輸当局者も出席したもよう。

 朝鮮戦争で分断された南北間鉄道を再び連結する構想は長い間足踏みしていたが、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は今年の首脳会談で、計画の推進に合意していた。ただ、15年余り前にスタートした同プロジェクトは、政治的対立や北朝鮮の核開発をめぐる国際制裁の中で棚上げされたままだ。プロジェクト推進には安保理の承認が必要となるが、安保理で拒否権を持つ米国が、北朝鮮の軍縮が具体的に進まない中で、経済制裁を緩めることを拒否している。

 北朝鮮の国営放送は先週、同国の軍縮の条件は、米国の核兵器が朝鮮半島から取り除かれることだとした。

 韓国は、両国をつなぐ前段階としての北朝鮮の鉄道と道路の近代化は、北朝鮮に対する国際制裁が解除されるまで開始しないとして、建設が北朝鮮の具体的な非核化にかかっていることを強調した。

 朝鮮戦争が続いた1950年から53年までの間で南北間の鉄道の運行は51年に負傷兵と孤児を韓国に輸送したのが最後。その後数十年間運行されることはなかった。

 2000年の南北首脳会談の後、韓国は北朝鮮との国境地域へつながる道路の建設と鉄道の修復を行った。また、国境に近い工業団地に向け貨物列車が運行されていたが、この開城工業団地は政治的緊張が高まり短期間で閉鎖された。

 文大統領は、今年3回の首脳会談を行うなど、北朝鮮との関係改善に取り組んできたが、国際制裁や米トランプ大統領と金委員長の外交に進展が見られない中で、南北外交の成果も限られたものになっている。

 米国のビーガン北朝鮮担当特別代表が先週ソウルを訪れた際に示された北朝鮮への人道支援策を見直す米国の動きに対して、北朝鮮は今のところ反応していない。(ブルームバーグ Youkyung Lee、Sohee Kim)