意識高め、ご予算低め 2019年のXマスは欧州流“実用”ギフトはいかが? (2/4ページ)

 ▼イギリスでは「4つのギフトルール」がブーム

 サステイナビリティの啓蒙家たちが「現代においては、購入された製品の中で6カ月以上使用され続けるのはほんの1%のみ」と環境保全の視点から警鐘を鳴らしているが、クリスマスプレゼントとなればその率はさらに下がるだろう。

 イギリスでは同様に、今年3億8000万ポンドが6000万個の「要らないギフト」に費やされると予想する調査もあるが、英BBCの報道などによると、ここ数年は子どもへのプレゼントに「4つのギフトルール」を課すブームが起きている。

 すなわち、子どもの喜ぶ顔見たさについおもちゃを与えすぎてしまうクリスマスに、「欲しいもの」「必要なもの」「着るもの」「読むもの」をそれぞれ一つずつ与えると決めることにより、出費を調整し、実用性と教育的配慮、お楽しみのバランスをとるという試みである。

 クリスマスマーケットが有名なドイツでは今年、プロテスタントの教会が「近年クリスマスマーケットが慈悲なき商業化を遂げている」と、年々開始時期の早まる市場を牽制した。世界で最も文学的な国と言われるアイスランドでは、クリスマスにはイブに本を贈り合うのが伝統だという。

 ▼オランダでは「実用品」を贈り合う

 筆者の生活するオランダは伝統的に、12月5日夜に「シンタクラース」と呼ばれるサンタクロースの元ネタ(諸説あり)が皆にプレゼントを配るが、ここ数十年でやはりクリスマスビジネスの波が押し寄せたとのことで、クリスマス本番にもプレゼント交換をしたりする。

 しかしいずれにせよキラキラした高級品が人気の日本と違い、2つの理由により実用品が人気である。

「国民性」と「一年の締め」