「法要のあり方も時代に合わせて変化することが求められている」と朝倉さん。「お釈迦様の教えに触れる場を増やしたい。テクノ法要はその入り口にすぎない」と強調する。
また、真言宗豊山派の国上寺(新潟県燕市)は昨年10月、インターネット掲示板やブログ、会員制交流サイト(SNS)などに批判的なコメントが殺到して「炎上」した出来事を弔う「炎上供養」を行った。
炎上して落ち込んでいる人に救いの手を差し伸べようと同寺の住職、山田光哲(こうてつ)さん(51)が思いついた。わずか1週間足らずで個人や企業から約470件の申し込みが寄せられたといい、炎上した投稿を印刷した紙を火にくべて供養した。
山田さんは「炎上して落ち着かない気持ちを整理する場があると若者に知ってもらい、お寺に足を運ぶきっかけになればうれしい」と話す。
若者の「仏教離れ」や「寺離れ」が懸念されているが、知恩院の磯部さんは「『斬新さ』にひかれて訪れる人もいるが、その根底には仏教への関心があり、仏縁を結ぶ場を求めている。そうした場の提供になれば」と期待する。
今後も寺院の斬新な取り組みに注目が集まりそうだ。