世界初、月裏側に探査機を軟着陸 中国「宇宙強国」への取り組み加速 

北京の宇宙飛行管制センターのスクリーン上に表示された、月の裏側へ着陸した無人探査機「嫦娥4号」のイメージ=3日(新華社=共同)
北京の宇宙飛行管制センターのスクリーン上に表示された、月の裏側へ着陸した無人探査機「嫦娥4号」のイメージ=3日(新華社=共同)【拡大】

 中国政府は、中国の無人探査機「嫦娥4号」が3日午前10時26分(日本時間同11時26分)、世界で初めて月の裏側への軟着陸に成功したと発表した。着陸後に撮影した画像の地球への送信にも成功した。今後、鉱物資源などを調査する。習近平指導部は「宇宙強国」の地位確立に向けた取り組みを加速する。

 先端技術分野での米国との覇権争いが、さらに激しくなりそうだ。宇宙関連技術は軍事技術にも結び付くため、各国の警戒を呼ぶ可能性もある。

 嫦娥4号は昨年12月8日に打ち上げられた。「嫦娥」は中国の月に住む伝説の仙女の名。カメラやレーダーを備えた探査車が月面を走行し、地形や中性子線などの月面環境を観測するほか、地質も調査する。将来の資源開発を視野に入れているとみられる。

 月は常に同じ面が地球に向いているため、裏側は地球から見えない。中国メディアによると、裏側は表側より起伏が大きいなど環境が異なるため新たな科学的成果が期待できる。

 プロジェクトには政府の国防関連部門も関わっている。月の裏側は地球と直接通信ができないため、中国は中継衛星も打ち上げて準備を進めてきた。難度の高い最先端の通信技術だとアピールしている。

 中国は2013年に無人探査機「嫦娥3号」で月面着陸を果たした。習指導部は独自の宇宙ステーション建設や火星探査も目指している。宇宙関連技術を軍事にも応用するとみられる。

 中国は、嫦娥4号はオランダやドイツなどとの共同プロジェクトも実施するとしており、国際貢献もアピールしている。(北京 共同)