タイ総選挙、SNSで支持争い白熱 ラップ動画バトルも (1/2ページ)

バンコクの食堂でスマートフォンを操作する男性(ブルームバーグ)
バンコクの食堂でスマートフォンを操作する男性(ブルームバーグ)【拡大】

 タイでは2月の実施が予定されている総選挙に先立ち、オンラインでの支持獲得競争が激しさを増している。軍事政権が政治活動を禁じてきたため、これまで選挙に行ったことがない、あるいは誰に投票するかを決めていない有権者が焦点だ。

 新政党や既存政党に加え、軍事政権のプラユット暫定首相までもがフェイスブック(FB)やツイッター、ユーチューブといったソーシャルメディア(SNS)を利用し、注目を得ようと競い合っている。2014年に政権に就いた暫定政府が今年2月24日の総選挙実施を表明したことで、競争はさらに激化する見込みだ。

「誰にでもチャンス」

 軍事政権は18年9月に政治活動に関する規制を緩和し、政党の資金調達や役員選出などを認めたが、インターネットを活用したキャンペーンや5人以上の政治集会などは禁止したままだ。各党は規制の全廃を待ちつつ、オンラインに向かっている。

 民主党を率いるアピシット元首相は「700万人という初めて選挙に行く有権者集団がいるため、誰にでもチャンスはある。彼らの大半は誰に投票するか決めておらず、私たちは特にこの集団に注目している。SNSは使っているが、オンラインでの政治活動を禁じた軍事政権の命令には違反していない」と述べた。

 初めて選挙に行く人に加え、同国には投票先を決めていない有権者が何百万人もいる。実業家から政治家に転身したタナトーン氏が設立した新党「新未来党」が18年10月、全国9000人を対象に実施した調査では、半数以上が誰に投票するか決めていないと回答した。この結果は過去3回の調査を通じて変わっていないという。

 タイでは国民のSNS利用が急増しており、政治的混乱とクーデターで不安定な選挙を繰り返してきた同国の歴史に新たな風が吹き込んでいる。デジタルマーケティング会社ウィー・アー・ソーシャルとSNS管理システムを運営するフートスイートが行った調査では、首都バンコクはFBのアクティブユーザー数が2200万人と、都市別で世界最多。タイ全土のユーザー数も人口の約4分の3に当たる5100万人に上り、世界第8位だった。

 「SNSが登場したおかげで、過去の選挙に関する統計値はもはや通用しない」とタナトーン氏は述べた。

ラップ動画バトル