【平成という時代 アイドル社会学(2)】価値観、がらりと変えたネット社会 (1/3ページ)

ファンたちはアイドルとの握手など「身近さ」のほか、SNSでもつながりを求めている(イメージ)
ファンたちはアイドルとの握手など「身近さ」のほか、SNSでもつながりを求めている(イメージ)【拡大】

 「大好き」「最高!」「次の公演も絶対行く」

 アニメに登場するアイドルを声優らが体現したコンサートの直後、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)には、ファンたちが続々と投稿した。「会場持ち込み禁止物をもっと取り締まって」「(スケジュール過密な)声優さんに休暇をあげて」など、運営主体への注文もある。

 アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」に登場するアイドルグループの声優で神戸市出身の高槻かなこさんは、「SNSでは手紙以上に素直な意見を送ってくれる。その気持ちをくみ取って、よい作品を作りたい。ファンもメンバーの一人です」と話す。自身のSNSへの投稿を連日欠かさない。

 アイドルたちは今、SNSの中で生きている。ファンとアイドルはネットを通してはじめて濃厚につながる。

 「インターネット」が新語・流行語大賞の一つに選ばれた平成7年頃から、ネット社会は急速に開花した。その約10年後には、ユーチューブやツイッターができ、スマートフォンも普及した。人と人がネットでつながるSNS。アイドルたちは発信し、ファンは感想を述べるようになった。

 昭和50年代前半を席巻したピンク・レディーのミー(現・未唯mie)さん(60)は「私たちが若い頃はメークやファッション、髪形まで事務所に決められていましたが、今の若い子たちはSNSで気の利いた話もできるなどのスキルが必要。自分自身をマネジメントする力にたけていなければ生き残れない」。

「自分でアイドルを見つけ出せる時代」