【高論卓説】東京五輪の招致疑惑 品格疑うスポーツマン精神に落胆 (1/2ページ)

東京五輪に向け建設が進む新国立競技場=2018年2月、東京都新宿区(桐山弘太撮影)
東京五輪に向け建設が進む新国立競技場=2018年2月、東京都新宿区(桐山弘太撮影)【拡大】

 NHKの大河ドラマ「いだてん」がスタートし、いよいよ2020年東京五輪のムードを高めようとする矢先、スポーツ界に衝撃が走った。招致をめぐる贈賄疑惑で、フランス司法当局が招致委員会理事長だった竹田恒和・日本オリンピック委員会(JOC)会長を対象に「予審」という捜査手続きに入った、とする報道が大きかったからである。日本スポーツ界もドーピング問題のロシアと同様、穢(けが)れていると決めつけられる恐れが生じたのだ。(日体大理事長・松浪健四郎)

 予審はフランス特有の制度で、強い権限を持つ予審判事の手によって捜査される。世界のメディアが、この問題を疑惑として報じているが、日本では及び腰の感があり、その重大さが伝わっていない。「金で買った東京五輪」とフランスの司法が決めつけたなら、日本の信用とイメージは失墜するだけでは済まない。

 竹田会長は、私からすれば犠牲者である。旧皇族という血脈に加え、父親の長年JOC会長を歴任された恒徳氏の存在もあって、恒和氏も会長職に17年間就いている。品格と高潔性を携えるばかりか、馬術のオリンピアンとしての経歴もあり、JOC会長に最適任であられた。

 国内オリンピック委員会は自国において、五輪の開催を目指し、立候補を申請する都市を選定する独占的な権限を持つ。このため、国際的にも知名度の高い竹田氏に招致委理事長として白羽の矢が立ったのは自然の成り行きであった。

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