【時刻表は読み物です】異色の「韓流表紙」 ソウル快走、韓国の国鉄・地下鉄 (1/2ページ)

ソウルと釜山を結ぶ韓国高速鉄道「KTX」。日韓共同きっぷでも利用可能だった=2004年3月
ソウルと釜山を結ぶ韓国高速鉄道「KTX」。日韓共同きっぷでも利用可能だった=2004年3月【拡大】

 時刻表の表紙といえば、大自然の中を走るローカル線、スピード感あふれる新幹線の写真が定番だが、昭和の終わりごろ、「交通公社の時刻表」の1988年9月号は異色のデザインだった。日本国内でなく、韓国国鉄の特急列車と地下鉄の写真が採用されたのだ。一見、どこの国の時刻表なのかと思わせるが、これには世紀のスポーツイベントに対応するという、ちゃんとした理由があった。

 表紙の写真説明は「ソウル近郊を走る最新型セマウル号、地下鉄1号線」。前面が赤色の優等列車、セマウル号編成と、日本の通勤型電車によく似たデザインの地下鉄が並んで走っている。写真は韓国鉄道庁からの提供。現物が書店に並んだとき「これはどこ」と思った人は多いだろう。

 このシーンが採用された理由は表紙の見出しを見れば判明する。「ソウルオリンピック開催・韓国国鉄(KNR)主要列車収録」。この年、9月17日から10月2日まで、ソウルで開催の夏季五輪の観戦に行く日本国内の旅行客に向けた特集を掲載しているのだ。

 「韓国国鉄のご案内」は黄色いページの付録で13ページにわたって収録されている。最初に「韓国鉄道庁路線図」。複線か単線か、電化されているかが一目瞭然だ。次のページにはソウルと釜山を結ぶ京釜線を走る特急、急行の時刻が掲載されている。しかもグリーン車、寝台車、食堂車などを連結していることを示すマークは、日本国内の時刻を載せる本文と同じものが使用され、分かりやすくなっている。

「日韓共同きっぷ」の案内も