高論卓説

声高なだけ…“世論”とは言えず ネットが生んだ“口うるさい少数派” (3/3ページ)

 かつて、知り合いの編集者がこう言った。「アニメのガンダムが斬新だったのは、勧善懲悪がなかったからだ。それぞれの正義が見えるのが良かった」と。世間は多様化し、さまざまな考え方を持つ人たちが存在する。またそのような個性を持つ人たちに応える社会に変化してきている。マス・マーケティングが通用しにくくなっていることからもそれが分かる。時代に合わせてツールは進化していく。それが自然なことである。

 勘違いしてはいけないことは、ノイジー・マイノリティーが世間ではないということである。価値観に正解はない。言葉を仕事とする私としては、日本人の文化や世界に誇る言葉が時代の言葉として、注目を浴びることを願いたい。

【プロフィル】芝蘭友

 しらん・ゆう ストーリー戦略コンサルタント。グロービス経営大学院修士課程修了。経営学修士(MBA)。うぃずあっぷを2008年に設立し代表取締役に就任。大阪府出身。著書に『死ぬまでに一度は読みたいビジネス名著280の言葉』(かんき出版)がある。

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