【松本真由美の環境・エネルギーDiary】福島・浮体式洋上発電の実証は継続へ (4/4ページ)

浮体式洋上変電所「ふくしま絆」
浮体式洋上変電所「ふくしま絆」【拡大】

  • 5メガワット浮体式洋上風力発電設備「ふくしま浜風」(福島洋上風力コンソーシアム提供)
  • バージ型浮体式洋上風力発電システム実証機(NEDO提供)
  • 洋上変電所

 浮体式を普及させるには、高い建設コストが大きな課題の一つです。福島県沖での実証でも、浮体の小型化やチェーンアンカーの軽量化、地元港の活用によりコストを下げる努力が続けられてきました。事業化に向けては、洋上風力用作業船の充実や、送電線へのアクセス確保、送電容量の強化を目的とした送電網の整備も必要です。また、巨額の資金調達も課題です。

 昨年11月、国会で「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律(再エネ海域利用法)」が成立しました。同法では、再エネの固定価格買取制度(FIT)の認定を受けると、洋上風力発電事業で一般海域を最大30年間占用できるようになります。同法の具体的な運用方法については現在、関係省庁間で協議を進めています。

 日本の領海を含む排他的経済水域の面積は約450万平方キロメートルと世界第6位で、洋上風力発電のポテンシャルは高いとみられています。

 福島県沖での2メガワットと5メガワットの実証機を組み合わた運用方法開発やコスト構造の見直しにより、自律的な運用が将来可能となり、今後の洋上風力普及の礎となることを期待したいと思います。

【プロフィル】松本真由美

 まつもと・まゆみ 東京大学教養学部客員准教授(環境エネルギー科学特別部門)。上智大学在学中からテレビ朝日のニュース番組に出演。NHK-BS1ワールドニュースキャスターなどを務める。環境コミュニケーション、環境とエネルギーの視点から持続可能な社会のあり方を研究する傍ら、シンポジウムのコーディネーターや講演、執筆活動などを行っている。NPO法人国際環境経済研究所(IEEI)理事。