ゴーン被告再逮捕 東京地検特捜部 オマーン資金流用疑い

ゴーン被告が乗った車が入った検察庁庁舎=4日午前、東京都千代田区(佐藤徳昭撮影)
ゴーン被告が乗った車が入った検察庁庁舎=4日午前、東京都千代田区(佐藤徳昭撮影)【拡大】

  • 弁護士事務所を出るカルロス・ゴーン被告=3日午後、東京都千代田区(桐原正道撮影)

 会社法違反(特別背任)などの罪で起訴された日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン被告(65)が、オマーンの販売代理店側に日産資金を不正に支出し、約5億6300万円の損害を与えたとして、東京地検特捜部は4日、新たに同法違反(特別背任)容疑で再逮捕した。逮捕は4回目。特捜部は中東を舞台にした不透明な巨額資金の流れの解明を進める。

 ゴーン容疑者は3月6日に108日間の勾留を経て保釈されたばかりだが、再び身柄を拘束された。特捜部の事件で、保釈後に再逮捕されるのは異例。

 再逮捕容疑は、日産の代表取締役だった平成27年12月~30年7月、日産子会社「中東日産」(アラブ首長国連邦)から複数回にわたり、オマーンの販売代理店「スハイル・バハワン自動車」(SBA)に計1500万ドルを送金させ、このうち計500万ドル(約5億6300万円)を自己の取得分とし、実質的に保有するレバノンの投資会社「グッド・フェイス・インベストメンツ」(GFI)へ送金させて日産に損害を負わせたとしている。

 関係者によると、日産の最高経営責任者(CEO)だったゴーン容疑者は24年から30年にかけ、自身が直轄する「CEOリザーブ」という予備費から、中東日産を通じてSBAに毎年数億円ずつ、計約35億円を支出。SBAオーナーのスハイル・バハワン氏はゴーン容疑者の友人で、資金はインセンティブ(報奨金)に偽装していた疑いがある。

 SBAの経理担当幹部もゴーン容疑者と親しく、27年頃、GFIを設立し、代表に就任。GFIには経理担当幹部の個人口座から計数十億円が送金されており、このうち約9億円が、ゴーン容疑者の妻が代表を務める会社に移され、ゴーン容疑者が使っていた大型クルーザー(約16億円)の購入費に充てられた疑いがあるという。

 GFIからは、ゴーン容疑者の息子がCEOを務める米国の投資会社側にも送金されていた疑いがある。

 ゴーン容疑者は21年1月頃、バハワン氏から私的に約30億円を借り入れ、既に全額が返済されたといい、約35億円が借金返済に充てられた可能性もある。

 ゴーン容疑者は「報奨金であり、正当な支出」などと主張しているという。

 ゴーン容疑者は20年10月、私的投資で生じた約18億5千万円の評価損を日産に付け替えたほか、信用保証に協力したサウジアラビアの友人側に21~24年、約12億8400万円を入金させたとして会社法違反(特別背任)罪などで起訴された。