社会・その他

はんこ文化、時代の曲がり角 デジタル化で銀行使用頻度は低下 (1/4ページ)

 三菱UFJ銀行で、現金自動預払機(ATM)に新たな機能を付加した「税公金・振込自動受付機(STM)」の推進に携わる小倉誉之氏は過去2年間、10人ほどのチームメンバーと手分けして全国約470の市区町村を訪れた。顧客による税金や公共料金の支払いをこのSTMで扱えるようにするためだ。

 1月に開設した新型店舗「MUFGネクスト」は、顧客がタブレット端末やテレビ電話、将来的には仮想現実(VR)も駆使して各種手続きができる設計。しかし、市民税など自治体ごとに書式が違う納付書に「はんこ」を押す作業が機械にはできず、自動処理した用紙を市町村に受け付けてもらえるよう交渉する必要があった。

 「一定の書式に対応する機械を作るのは簡単だが、書式が変わり印鑑がなくても支払いができる環境づくりに時間がかかった」と小倉氏は振り返る。書式が変わることに難色を示す自治体については、納付書を機械に入れるとアラームが鳴り、行員が手作業で出納印を押す対応をしてきた。今では約450自治体の納付書をSTMで扱える。

 印鑑を重視する文化は根強い。特に中小企業では社印や銀行印を多用しており、金融機関の取り組みだけでは効率化が進まないのも現状だ。都道府県や市町村は、公金の支払い事務を扱う銀行を「指定金融機関」と定め、窓口で公金を受け取り、所定書式に出納印を押すことを求めている。

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