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自己申告は他人への奉仕? 「信用するふり」が必要なくなった社会 (2/3ページ)

安西洋之

 昔はチェックするための人件費を秤にかけると割に合わず、「あなたを信用する」というか、「あなたを信用するふり」をしていた方がコスト的に楽だったのかもしれない。

 それが現在ではテクノロジーの発達やデジタルデータの増大で、「あなたを信用するふり」が必要なくなったのかもしれない。

 ところで、自分自身の感覚の変化はどうだろう。自己申告全盛時代にあった「自分で切り開く万能感」、ITの進化によって味わう「何でもスピーディーにできる感」。後者が前者を超える時代になったと思っていたが、最近、どうも一筋縄ではいかないと思う経験をした。

 ミラノの某組織への申請で、ある証明書が必要となった。役所のオンラインのサービスをいろいろと調べる。役所に行って順番を待たず、自宅でこの手のチェックができるようになったのは便利になった。そう実感しながらも、オンラインでダイレクトに入手できる類の証明書か、サイトの説明を読んだだけではどうも判別がつかない。

 ある機関から求められている情報を記載しているようだが、名称が違う。もっと適切な名称の書類があるのではないかと探すが、どうも見つからない。確認をしようと電話をしても、コールセンターは混み合っていて出ない。

 某機関への書類提示の締め切り時刻は迫る。

 これなら役所に出かけて窓口で確認した方が早いと判断して、足早に出向く。「これこれ、しかじかの要求に対して、この名称の証明書はないか?」と聞くと、「それなら自己申告で大丈夫ですよ」という気の抜ける回答。「どうせ、その機関は我々のデータバンクに照会するのですから」

 「どうせ」かよ!

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