棒高跳び“失敗”の瞬間が世界中で取り上げられ傷心 荻田大樹がリベンジ誓う

2016.8.20 17:00

 リオデジャネイロ五輪の陸上男子棒高跳びで、決勝進出を逃した荻田大樹(ひろき、ミズノ)の“失敗”の瞬間を映した映像が世界中のインターネットやメディアに取り上げられた問題で、一時はツイッターのアカウントを閉鎖し、「海外メディアにここまで陥れられるとは思わなかった」と傷心を隠さなかった荻田が、19日までに「しっかり結果を出して見返す」と、再開されたツイッターにリベンジを誓うコメントを寄せた。

 荻田は14日に行われた棒高跳びの予選で5メートル30センチに挑戦したが、バーが落下し、失敗した。スローモーション映像で、ヒザに当たってしなるバーに荻田の陰部が当たっているとして、米ニューヨーク・ポストが報じ、これが「ハプニング映像」として世界中に流れ、視聴回数が888万回を超える騒ぎとなった。

 荻田は「ご報告」と題し、従来のツイッターに「色々とありましてアカウントを変更いたしました。その関係で公式マークも消えています。まさか海外メディアにここまで陥れられるとは思いませんでした。真実ならともかく、ここまでおもしろおかしく偽造されて罵られるとさすがにショックです」と書き込んだ。

 傷心の荻田を心配したファンらが「アメリカではポジティブな反応です」「あれだけ跳べたんだからすごい」などと励ますコメントを載せた。また英紙ミラーや米紙ニューヨーク・ポストなどの荻田の人格や行動に関係がない、低俗に茶化す報道内容に批判も寄せられた。

 「海外メディア」の一つでもある英BBCもさすがに欧米メディアの一翼としてばつが悪かったのか、「荻田は報道を否定」と題する検証記事を掲載。マレーシアの棒高跳びのコーチのコメントを引用し、「脚がすでにバーに当たっていた。不運なカメラアングルのためそう見えたのでは」などと結論づけた。

 荻田は「正直キツイですが、ある意味注目を受けているのでそれもチャンスかなと思います。しっかり結果を出して見返してやろうと思っています」とツイート。さらに「この際、ネタでも何でもいいので、一度競技場で試合を見て下さい。棒高跳びの良さが少しでも伝わればと思います」と書き込んだ。さらに「改めて見ると自分でもウケる。笑」とツイート。ツイッター上では明るさを取り戻した。

 日本人には体格のハンディもあり不利と思われている陸上で、男子400メートルリレーのチームがアジア新記録で決勝に進むなど、好調な日本陸上界。4年後の東京五輪で棒高跳びブームを起こすべく、荻田は「飛躍」を誓った。(五輪速報班)

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