徳洲会の病気腎移植、「先進医療」認定へ 厚労部会が条件付きで

 
宇和島徳洲会病院で実施された病気腎移植の臨床研究手術=2015年7月、愛媛県宇和島市

 厚生労働省の審査部会は19日、東京西徳洲会病院(東京都昭島市)が申請していた腎臓がん患者から取り出した腎臓を病巣を取り除いて別の腎臓病患者に移植する「病気腎移植(修復腎移植)」について、先進医療としての実施を条件付きで認めるとの意見で一致した。今後、厚労省の別の会議で認められれば、診察や入院費など医療費の一部に公的医療保険が使えるようになる。

 申請された計画は、全摘出が妥当と判断された7センチ以下の腎腫瘍の患者から腎臓を摘出し、腫瘍を取り除いて慢性腎不全の患者に移植する。宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)が協力医療機関となり、9年間で42例の実施を予定する。

 19日の審査部会では、臓器提供者と移植を受ける患者が病気腎移植に適しているかを判断する倫理委員会の適格性を疑問視する意見などが出た。その上で、「最初の5例ほどは実施ごとに部会で妥当性を検討する」などの条件付きで実施を認めた。

 病気腎移植をめぐっては平成18年、臓器売買事件をきっかけに宇和島徳洲会病院の万波誠医師らが病気腎を患者に移植していたことが明らかになった。

 脳死移植が少ない日本では移植を待つ患者の期待は大きい一方、がん再発のリスクなども指摘されている。日本移植学会などは翌年、「医学的妥当性がない」との見解を発表し、厚労省は臨床研究以外での病気腎移植を禁止。同病院は臨床研究として病気腎移植を行ってきた。

【用語解説】病気腎移植

 腎臓がんなどの病気のため摘出した腎臓を、病巣を取り除いて修復し、腎不全など移植を必要とする患者に移植する手術。日本臓器移植ネットワークによると、腎臓提供を待っている登録者は9月末時点で約1万2500人。これに対して脳死腎臓移植件数は19日時点で597件に留まる。移植を待ち望む患者の期待は大きい一方、がんが再発するなどのリスクも指摘されている。