『十八番の噺 落語家が愛でる噺の話』松田健次ほか・構成

書評

 ■“企業秘密”の過程惜しみなく

 「あなたの十八番(おはこ)の噺(はなし)は?」。この問いに、今を時めく人気落語家の春風亭昇太、桃月庵白酒(とうげつあんはくしゅ)、柳家喬太郎、立川生志、林家正蔵、それに加えて三笑亭夢丸ら20~30代の若手6人が答える。

 「ストレスの海」「松曳き」「ハワイの雪」「柳田格之進」…。古典あり、新作ありのバラエティーに富んだ噺を、落語家たちはいかに磨き、十八番に仕上げたのか。“企業秘密”の過程が、惜しみなく明かされる。

 優れたエンターテインメントである落語は、こうして江戸から現代に伝えられてきたのだろう。話芸の深みに、興味は尽きない。(1836円、フィルムアート社)