認知症の高齢者の服に「みまもりステッカー」 山梨で相次ぎ導入 発見時、家族に円滑に連絡

 
高齢者の衣服や持ち物に貼る「みまもりステッカー」

 認知症の高齢者の衣類や持ち物に「みまもりステッカー」を貼り、発見時に家族への連絡を円滑に行う新たなシステムが今年、山梨県内の自治体で次々と始まっている。行方不明の高齢者を見つけた人が、ステッカーに表示されたフリーダイヤルに電話し、記載のID番号を入力すると、家族などにつながる仕組みだ。県内では笛吹市、山梨市に続き、先月から富士河口湖町もステッカー購入費の補助を始めた。甲州市なども導入を検討している。(松田宗弘、写真も)

 ステッカーを作った公益社団法人「セーフティネットリンケージ」(札幌市南区)によると、県内3市町のほか東京、千葉、静岡、福岡などの5カ所でも導入補助が始まり、全国約20の自治体で導入を検討しているという。

 ステッカーは縦約1・5センチ、横約3センチ。認知症などの人の衣類や持ち物などに貼って使用する。高齢者を発見した人はID番号で家族に連絡できるため、家族の個人情報を守ることができる。

 使用するには、初期登録料2千円とステッカー代に年間3600円(48枚)が必要。山梨市と富士河口湖町が登録料全額を補助。笛吹市はさらに、ステッカー代を半額補助する。

 利用者は、笛吹市(1月導入)と山梨市(5月導入)が各6人。スタート直後の富士河口湖町は申請者ゼロという。両市によると、これまでに利用者の行方不明は発生していない。

 笛吹市福祉総務課は「市広報、民生委員や介護者が集まる場でさらに周知徹底したい」としている。

 アプリでも捜索、自治体に推奨

 セーフティネットリンケージは昨年9月、無料のスマートフォンアプリ「みまもりあい」を開発し、ステッカーを導入した自治体に推奨している。

 認知症の人の特徴や写真を事前登録し、協力する住民もダウンロード。行方不明の発生時に最大半径20キロ圏内の協力者に捜索願と登録情報が一斉送信される。行方不明者を見つけた協力者は、アプリを経由して電話で家族に連絡する。

 山梨市では協力者が約600人に達し、みまもりステッカーを使っていない人の捜索にも活用。「行方不明者が捜索から2日目に見つかった事例もあった」(介護保険課)という。