ほのかな竹の香とコーヒーのハーモニー 竹製ドリッパー人気 長野・戸隠

 
竹製のドリッパーを使いコーヒーをいれる高橋三貴子さん。店内に立ち上がるコーヒーの香が鼻孔に優しく届く=長野市戸隠の喫茶「ランプ」

 竹製のドリッパーでいれたコーヒーをあなたもいかが-。長野市戸隠の喫茶「ランプ」で味わえるコーヒーが、人気を呼んでいる。ほのかな竹の香とコーヒーの味わいがお客さんに受け入れられているようだ。戸隠は、根曲竹を使った竹細工の産地として知られるため、名産を生かした街づくりにつながるかもしれない。(松本浩史、写真も)

 ランプで竹製のドリッパーを使い、コーヒーを提供するようになったのは今年8月。近くの竹細工店が発案し、「こんなのを作ってみたが、使ってみないか」と持ちかけられたことがきっかけだった。

 ランプの高橋三貴子さんは「不安だったので家族で試し飲みをしました。軽いし使いやすかった。キッチンで乾かしているときは、インテリアみたいでしっくりきた」と話す。

 それでも幾つか注文をつけた。当初、ドリッパーの形状は三(さん)角(かく)錐(すい)だったが、ランプでは台形のフィルターを使っていたので、このままでは具合が悪い。改良をお願いしたところ、ほどなくフィルターに合うドリッパーが完成した。

 発芽してそれほどたっていない若い竹だと香が強すぎるため、そこそこ成長した竹を材質にしてほしいとも頼んだ。そうした創意工夫のかいがあって、戸隠周辺では初めて、「竹コーヒー」を提供するようになった。

 店内には、他店にはないドリッパーでいれたコーヒーを紹介するため、ラミネート加工したメニューを掲示し、店のホームページにも掲載した。

 聞きつけたお客さんが来店し、「おいしいですね」と口にされると、高橋さんは小躍りしたくなるという。

 もともと竹細工に興味を持っている人が訪れた際には、「ドリッパーをみせてほしい」とねだられ、キッチンからわざわざ取ってきたこともあった。

 高橋さんは「いれたコーヒーには温かみがあり、まろやかさも増した気がします」と、竹製ドリッパーでいれたコーヒーをこう評する。

 根曲竹が群生する戸隠では、そば籠など多様な竹細工を扱うお店が立ち並ぶ。高橋さんによれば、戸隠周辺で竹製のドリッパーを使っているお店が今では、ランプのほかに何軒かあるという。

 高橋さんは、「竹」を生かした街づくりがかなうことを夢見ていて、「『戸隠でコーヒーを飲むなら竹製のドリッパーだ』といわれたい」と願っている。