日銀総裁、経団連で講演 成長力確保へ賃上げで人材確保を

 
経団連の会合で講演する日銀の黒田総裁=26日午後、東京・大手町

 日銀の黒田東彦総裁は26日、東京都内で開かれた経団連の会合で講演し、企業の成長力を一段と高めるためには「それなりの賃金を払ってでも優秀な人材を確保することが必要だ」と述べ、2018年春闘での賃上げを促した。

 好調な海外経済を追い風に、日本経済は輸出が増えて企業収益や雇用・所得環境も改善し「複数の柱に支えられて、バランス良く、緩やかに拡大している」と説明した。

 景気拡大の裾野が幅広い経済主体に広がる一方、賃金上昇ペースは深刻な人手不足など「労働需給の引き締まりの割に鈍い」と指摘し、15年に及んだデフレの経験が「大きく影響している」と分析した。

 日銀が金融政策の目標に掲げる物価上昇率2%は、大規模緩和を始めてから5年近くたっても直近で1%に届かず「値上げによる顧客離れを警戒する企業が少なくない」と指摘した。物価目標の実現までに「なお距離がある」として大規模緩和を粘り強く続ける姿勢を強調した。