今秋復活「尼崎城」 実業家の熱意、市民も動く 「尼」のイメージ転換を 兵庫

 
兵庫県尼崎市に再建される「尼崎城」の完成イメージ図(尼崎市提供)

 兵庫県尼崎市の阪神電鉄尼崎駅そばの公園に今秋、「尼崎城」が復活する。家電販売店の旧「ミドリ電化」を同市で創業した安保詮氏が私費で、10億円超とされる建設費用を拠出。明治維新で取り壊されたお城は今年で築城からちょうど400年。市は年間来場者約15万人を見込み、過去の大気汚染問題などで負の印象を持たれがちな街のイメージ転換を狙う。

 「市民が誇りを持つ『みんなの尼崎城』にしたい」と話すのは市の担当者。城の再建は安保氏が平成27年に「地元への恩返し」と名乗り出たのがきっかけで動きだした。完成後は市に寄贈され、30年度末までに観光施設としてオープンする。城は「大坂の西の守り」という役割を果たした歴史があるのに、1873年の「廃城令」でなくなり、市民の間でも存在を知る人は少なかった。

 市は、親しまれる城にしようと、市民からの寄付金の仕組みなどを整えてきた。「一口城主」は、寄付した人の名前を金額に応じた大きさで城内に掲示。3万円から受け付け100万円以上なら縦5センチ、横20センチの大きさという。1枚3千円で屋根瓦に名前や城への思いを書き込める寄付も募集中。完成後も「あの瓦には自分の願いが込められている」と思い返してもらう狙いだ。

 寄付金は城内の展示や整備費用に充てられ、計1億円が目標。昨年12月現在で約8千万円に達した。ラッピングバスの運行や市民による建築風景の映像作品の募集なども続けている。

 再建される城は、文献を参考に設計。場所は1618年、藩主戸田氏鉄が築いた場所からは約300メートルずれるが、四重の天守は高さが約24メートル。外部の装飾も再現する。担当者は「寄付を通じ、尼崎が誇る名所になってほしいとの声が大きく、市民の盛り上がりを感じる」と話す。

 寄付は市外からも可能。尼崎市城内まちづくり推進課、電話06(6489)6147まで。