こんな「新年の挨拶」をする人は愛される 定番フレーズに付け加えると“好印象な一言”

 
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【藤田尚弓の最強の話し方】

 気持ちがうまく伝わらない。悪気はないのに相手を不快にしてしまった。皆さんも、そんな経験はありませんか? この連載ではコミュニケーション研究家でアップウェブ代表取締役の藤田尚弓が、ビジネスシーンを上手く切り抜ける「最強の話し方」をご紹介していきます。

 第5回は、年始にも欠かせない挨拶がテーマ。自ら積極的に挨拶するようにしていると思いますが、その挨拶は相手の心に届いているでしょうか。なにげない挨拶も、今後の人間関係に大きく影響します。儀礼的でない、心に届く挨拶をするにはどうすればよいのか。「最強の話し方」を考えてみましょう。

◆定番の新年挨拶をするのは残念な人?!

 仕事始めの日。皆さんは職場で周りの人にどんな挨拶しているでしょうか。「あけましておめでとうございます」という定番の挨拶をしている人は、もしかすると残念な人だと思われているかも知れません。

 意味のない挨拶を何度も繰り返されて、初出勤の日は憂鬱だという人もいます。いつまでおめでとうと言っているんだと、正月気分が抜けないことをマイナスに捉える人もいます。

 コンビニでマニュアルどおりに「ありがとうございました」「またお越しくださいませ」と言われても何も感じないように、定型の新年挨拶は心に届きにくいのです。

 お勧めなのは「今年も宜しくお願いします」という定番フレーズに、ひとことを添える挨拶。「あけましておめでとうございます」という決まり文句はあえて省き、その分、新しい一年の意気込み、抱負、お願いしたいことなどを付け加えましょう。

例)

「○○さん、今年もどうぞ宜しくお願いします。新しい一年は、去年達成できなかった数値目標を達成したいと思っているので、また相談にのってください」

◆デキる管理職は新年の挨拶を指導に活かす

 部下に新年の挨拶をされたら「今年も宜しく」と挨拶を返すだけでなく、新しい一年の目標を聞いてみてください。「頑張ろう」と漠然と思うだけの人よりも具体的な目標を持っている人のほうが成果は出やすいもの。目標を話してもらうというのは良い方法です。

 このとき、部下のタイプ別に目標を達成しやすいようなひとことを返せるとよいでしょう。

◆部下のタイプ別! 新年の目標を聞いてのひとこと

 目標を掲げても、なかなか取り組めない。そんな部下には効力期待が足りない可能性があります。新年の目標を聞いた後に「君は○○な人だから、きっと××もできると思う」といった言葉をかけ、「やれそうだ」と感じられるよう後押ししましょう。

 目標に取り組むものの、なかなか継続できない。そんな部下には結果期待が足りない可能性があります。新年の挨拶で聞いた目標を覚えておき、折をみて「最近、○○がよくなったね」といった言葉をかけましょう。「努力を続ければ結果が出る」と感じさせることができ、いい結果に繋がりやすくなります。

 できたら褒め、できないときには叱るといった指導だけでは部下は伸びません。よりよい指導を考えるきっかけとして、新年の挨拶を活用してみてください。

◆対面? 年賀状? 取引先への新年の挨拶

 直接相手の会社に出かけて挨拶をすると、大事に思っているという気持ちが伝わります。しかし、「虚礼廃止」を掲げる企業も増え、挨拶だけに費やす時間を惜しむ人、形式的な挨拶を嫌がる人も増えています。

 メールよりも年賀状、年賀状よりも対面の挨拶が丁寧と言われていますが、表面的な挨拶より、丁寧なメールの方が負担なく気持ちが伝わることもあります。

 新年の挨拶の意味をもう一度考え、相手との関係に適した方法を選ぶとよいでしょう。

◆虚礼廃止! メールでの新年挨拶例

 虚礼廃止の時代になりつつあるとはいえ、メールでの挨拶を「省略されたもの」と受け止める人もいます。メールで新年の挨拶をする場合、対面の挨拶、年賀状での挨拶以上に、儀礼的にならない注意が必要になります。

 お勧めの構成は、本日から営業がはじまったというお知らせに、新しい一年にどんな形で役にたちたいかという抱負をプラスするもの。メールでも丁寧さを伝えたいのであれば、あえて文面は長めに。さらに相手の名前、相手と今年成し遂げたいことなどを入れるのが良いでしょう。

例)

「本日から平常営業となりました。本年もどうぞ宜しくお願いします。今年は○○プロジェクトで成果を出していくことが、私の目標です。××さんには調整の面でお力添えいただくことになると思います。昨年以上に連絡をとりあいながら、いいものを作っていきたいと思いますので、引き続きご指導お願いします」

◆定番の挨拶には相手の名前と気持ちが伝わる一言をプラス

 一年をとおし、ビジネスパーソンには節目節目に挨拶をする機会があります。儀礼的な挨拶にならないよう、心を込める伝え方をおさらいしておきましょう。ポイントは相手の名前を入れること、定番挨拶にひとことをプラスすることです。具体例を見ながら勘所を掴んでおきましょう。

【異動する上司への挨拶】

定番フレーズ

「ご栄転、おめでとうございます」

プラスひとこと

「今の私がいるのは○○部長のおかげです。本当にありがとうございました。○○部長がいなくなるのは寂しいですが、教わった××を活かせるように精進します。またお世話になることもあると思います。引き続きどうぞ宜しくお願いします」

【お悔みの挨拶】

定番フレーズ

「このたびはご愁傷様です」

プラスひとこと

「○○さんには大変お世話になりました。急なことでお力おとしだと思いますが……。どうぞお体に気をつけてください。なにか私でお役にたてることがあったら遠慮なくおっしゃってください」

【お見舞いの挨拶】

定番フレーズ

「お加減はいかがですか」

プラスひとこと

「大事にいたらず本当に良かったです。○○さんの元気がないと本当に困ります。気晴らしになればと本を持ってきました。仕事が気にかかるとは思いますが、私たちのためにも、ゆっくり静養してください」

 定番の挨拶には相手の名前を入れる。形式的になりがちな場面でこそ、ひとことをプラスして気持ちを表現する。それが表面的な挨拶を心のこもったものにし、次に繋げる最強の話し方なのです。

藤田尚弓(ふじた なおみ)

コミュニケーション研究家
早稲田大学オープンカレッジ講師 株式会社アップウェブ代表取締役
企業のマニュアルやトレーニングプログラムの開発、テレビでの解説、コラム執筆など、コミュニケーション研究をベースにし幅広く活動。著書は「NOと言えないあなたの気くばり交渉術」(ダイヤモンド社)他多数。

【藤田尚弓の最強の話し方】はコミュニケーション研究家の藤田尚弓さんがビジネスシーンで活用できる会話術を紹介する連載コラムです。更新は月初木曜日。

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