やはり金曜は休めない 「プレ金」導入から1年、鳴り物入りも試される企業の取り組み

 
初めての「プレミアムフライデー」となり、サラリーマンらでにぎわう居酒屋=平成29年2月24日、大阪市北区

 月末の金曜日に早めの退社を促し、働き方改革や消費拡大につなげる「プレミアムフライデー(プレ金)」が23日、導入から1年を迎えた。鳴り物入りで始まったものの、関西でも早退などの有給取得を促す企業は限定的。消費拡大が期待されたサービス・小売業界も盛り上がりに欠けるなか、なんとか商機につなげようとする動きも生まれている。

 昨年2月のプレ金導入と同時に、半日有給休暇の取得を促してきたのが大和ハウス工業。しかし、営業や施工の現場から「月末の金曜は業務量が多く休めない」などの声が相次ぎ、同4月からは業務に合わせて柔軟に実施するように変更した。人事部の河崎紀成グループ長は「実態に合わせて取得しやすくしたい」と話す。一方、塩野義製薬は「リフレッシュフライデー」と銘打って、有給休暇や半日休暇の取得を促す取り組みを続けている。

 ただ、市場調査会社インテージが2月、会社員ら3251人に行った調査では、この1年間でプレ金に1度でも早帰りできた人は8.3%止まり。車載用などで需要が高まっている電子部品業界からは「工場はフル稼働。納入先が動いている以上、早期退社は難しい」という声が上がる。

 サービス・小売業界への恩恵も少ないようだ。大阪市内のある百貨店では、会社員が家でゆっくりお酒を飲む機会も増えるだろうと、総菜類の限定商品などを展開した。しかし「実際の購買層は普段から来店しているシニア層だった」と見込みが外れ、規模を縮小した。

 ホテル業界も盛り上がっているとはいえない。レジャー客が中心の関西のホテルではもともと金曜日は満室に近く、予約を受けられる客室が少ないという。リーガロイヤルホテル京都(京都市下京区)は昨年2月から特別宿泊プランなどを売り出したが、反応が鈍く、12月で取りやめた。

 ただし、一定の効果を生んだケースもある。帝国ホテル大阪(大阪市北区)ではロビーラウンジで無料のジャズライブを実施。客層は、期待した会社員らとは異なるが、時間の融通をきかせやすい自営業や中高年の客がリピーターになり、ラウンジ利用も増えた。「プレフラが良いきっかけを作ってくれた」と担当者は手応えを話す。

 プレミアムフライデーにちなんで、主力製品「プレミアムモルツ」の売り上げアップを図るのがサントリー。同社広報は「実際に早く帰れるか帰れないか分からないが、週末はゆっくり豊かな時間を過ごしてもらいたい」と期待を込める。

 大丸松坂屋百貨店を展開するJ・フロントリテイリングの山本良一社長は「ハロウィーンは何十年もかかって定着した。地道に続けることが大事」と強調。プレ金をどう集客や収益につなげるか、売り手側の知恵も試されている。