ここが違う、初対面で「好かれる人、嫌われる人」の話し方 「雑談で親しくなれる」は幻想

 
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 【藤田尚弓の最強の話し方】 気持ちがうまく伝わらない。悪気はないのに相手を不快にしてしまった。皆さんも、そんな経験はありませんか? この連載ではコミュニケーション研究家でアップウェブ代表取締役の藤田尚弓が、ビジネスシーンをより良く切り抜ける「最強の話し方」をご紹介していきます。

 第7回は、人間関係を構築していくときの話し方。人事異動や新プロジェクトの始動など、これからの季節は新しい仲間と人間関係を作っていく場面も増えます。

 人間関係が比較的浅い時期は、相手の内面を把握できていないため、ちょっとした会話が印象形成に大きな影響を与えます。なにげない会話のつまずきで先入観を持たれないようにするためにはどんな点に注意すればいいのか。これからよい関係を作っていきたい相手との「最強の話し方」を解説します。

◆雑談で親しくなれるという幻想

 親しくなりたい相手と雑談をするように心がけている人は多いと思います。雑談は人間関係を構築する有効な方法の一つで、単純接触が増えると好意を持ちやすくなるという傾向もあります。

 しかし、話をしても親しくなれないどころか「なんとなく合わなそうだ」と感じるケースがあるのは皆さんご存知のとおり。

 ある程度人間関係ができてからなら問題のない会話でも、親しくなっていない時期には嫌われる原因になることもあります。代表的なものを見てみましょう。

◆初期の雑談では「考え方」と「好み」に着目せよ

 相手がどんな人か。判断に影響を与える要素の一つに類似性があります。私たちは考え方や好みが似ている人に好意を抱きやすい傾向があります。

 仕事への考え方や、やり方の好みなどが似ている人とは仕事がしやすい。これは皆さんも肌で感じていることだと思います。仕事では相違点を活かし補いあう関係もメリットになります。しかし、まだ関係性ができていない時期では考え方や好みの違いは「合わなさそうだ」といった感情に結びつきがち。まったく仕事とは関係のない話題でも影響があるので注意が必要です。

 天気に関する雑談で具体例を確認してみましょう。

考え方の例)

寒くてもなるべく薄着でいるようにしている/雪の日は車を運転しない/乾燥している時期は風邪に気をつける など

好みの例)

冬より夏のほうが好き/傘は折り畳みを好む/雪が好き など

 このような発言があった場合、否定のリアクションや反対意見を伝えることは控えたほうが賢明です。お互いのことをよく知ってからなら影響は少ないのですが、まだお互いを知らない時期には思わぬ先入観につながるリスクがあります。

 これは単純に相手に合わせればいいというものではありません。同調しすぎは取り入りと見なされ逆効果になることも。適度に実践するための推奨フレーズをご紹介しておきます。

◆明日から使えるシンプルフレーズ

 人間関係がまだできていない時期の雑談で、自分とは違う考え方や好みの話になった場合、否定的なリアクションを控え、ニュートラルな相槌を使うようにします。

 推奨フレーズは「そうなんですね」。

 この相槌は賛成のときにも反対のときにも使えるので、意思表示を避けたいときの受け止めフレーズとしても覚えておくと便利です。

 逆に、自分と同じ考え方や好みが共通する発言があったときには、積極的にそれを伝えるのがよいでしょう。推奨フレーズは「私も○○なんです」。

 私たちは正しい考え方をしたいという欲求を持っています。自分と似た考えを持っている人は自分の考えの正しさを感じさせてくれる存在。好みが似ているとさらに快適な相互関係を期待するのです。

 次に人間関係を構築していくときの影響を無視できない非言語の部分についても確認しておきましょう。

◆関係を構築するときに気をつけたい3つの非言語コミュニケーション

 人間関係を構築する初期段階は少ない情報によってどんな人間かを推測されやすい時期ともいえます。無意識に発信している非言語コミュニケーションのうち、忘れがちな3つの項目を選びましたので参考になさってください。

【1】表情

 残念ながら人間関係の初期では容姿が大きな判断材料の一つになっています。例えば顔の造作もその代表例。私たちは顔のパーツ(目、鼻、眉など)から、その人がどんな性格なのかを類推して「合わなそうだ」「話しかけにくい」といった判断をしています。

 これを補うのは表情です。顔でトクをしている人も、そうでない人も口角をあげるよう意識してみてください。終始笑顔でいる必要はないのですが「挨拶のときに笑顔を見せる」「会話の途中に笑顔を挟む」という二点を実行すると印象がよくなります。

【2】顎の位置

 顎をあげて話すと、相手は見下されているように感じやすくなります。やや顎をあげて話すのが癖になっている人はよく見かけるので、この機会に話しているときの顎の位置を確認しておきましょう。逆に、顎を下げすぎて上目遣いで話すと「取り入っている」「甘えている」といった印象を与えてしまうので注意。一度鏡の前でチェックすれば適切な位置を再現できます。

【3】アイコンタクト

 相手の目を見て話すのは基本です。しかし、視線の外し方については無頓着な人が多いと感じます。視線を合わせたままだと関係性によっては敵意や性的関心に繋がり不快感を与えてしまいます。目安として瞳は5秒以上凝視しないと覚えておくとよいでしょう。

 視線を外すタイミングがあまりにも早すぎたり、外す場所が遠すぎたりするとオドオドした印象になります。目だけでなくネクタイの結び目、顎、鼻先など、上手に視線を外しながら話しましょう。

 どんな人間かを把握されていない時期に、少ない情報から不利な判断をされないようにする。これが、人間関係が浅い時期の、最強の話し方なのです。

藤田尚弓(ふじた なおみ)

コミュニケーション研究家
早稲田大学オープンカレッジ講師 株式会社アップウェブ代表取締役
企業のマニュアルやトレーニングプログラムの開発、テレビでの解説、コラム執筆など、コミュニケーション研究をベースにし幅広く活動。著書は「NOと言えないあなたの気くばり交渉術」(ダイヤモンド社)他多数。

【藤田尚弓の最強の話し方】はコミュニケーション研究家の藤田尚弓さんがビジネスシーンで活用できる会話術を紹介する連載コラムです。更新は月初木曜日。

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