西日本豪雨、死者7割が60歳以上 自力避難、スマホ情報の把握難しく逃げ遅れも

 
土のうが積まれた末政川の決壊地点=15日午後1時27分、岡山県倉敷市真備町(本社ヘリから、永田直也撮影)

 西日本豪雨による浸水や土砂災害などで亡くなり、共同通信のまとめで身元が明らかになった169人のうち、60歳以上が約7割を占めることが15日、分かった。高齢者の死亡が目立ち、自力避難が困難だったり、自治体の情報が十分伝わらなかったりして逃げ遅れた可能性がある。10歳未満の子ども6人も亡くなっており、「災害弱者」への対応が問われそうだ。

 5日以降の共同通信まとめで、身元が判明した60歳以上の死者は118人(15日午後5時現在)。年代別の内訳は90代が11人、80代が33人、70代が43人、60代が31人、50代以下は子どもを含む51人だった。

 身元が分かっている岡山県の死者は56人で、このうち60歳以上が48人、10歳未満の子どもは1人。堤防の決壊で4千棟以上が浸水した倉敷市真備町地区では46人が亡くなり、溺死とみられる。

 県などによると、真備町地区の死者の約8割は住宅の1階部分や平屋建てなどの屋内で見つかった。1人暮らしで体が不自由な高齢者は、2階や屋上などに移動する「垂直避難」ができなかった可能性がある。

 住民に情報がうまく伝達されず、避難に影響したとの指摘も上がる。

 真備町地区の主婦諏訪香代子さん(67)は「避難指示を伝える防災無線が複数のスピーカーで流れ、音が重なり聞き取れなかった。スマートフォンを持たない高齢者は通知を把握できずに逃げ遅れたのでは」と話した。

 広島県では200件を超える土石流やがけ崩れが発生し、身元が判明した死者82人のうち、土砂災害関連で亡くなったケースが8割に上る。60歳以上は49人、10歳未満の子どもは2人だった。

 愛媛県でも、宇和島市や松山市沖の離島、怒和島などで土砂災害が60件以上発生した。身元が分かった死者11人のうち5人が60歳以上、3人が10歳未満の子どもだった。