急増する熱中症患者 適切な予防・対処法、医療機関を取材して知る
記録的な猛暑で、搬送者数が急増している熱中症。多臓器不全などを誘発し、死に至る危険性もある。医療機関ではどのような処置を施すのか。そして、予防や対処はどうすべきか。25日、最高気温が平年より3.9度高い36.9度を観測した大阪市内の医療機関を取材した。(浜川太一)
大阪市中央区の国立病院機構大阪医療センター。午後2時27分、60代の男性会社員が救急車で運ばれてきた。「目が回り、目まいがする」という男性は意識はあるが、顔面は蒼白(そうはく)。看護師らが素早く上着を脱がせ、血圧や脈を測る。
男性は午後1時10分ごろ市内の昼食先から帰社後、目まいと吐き気を訴えた。搬送に同行した男性上司(63)は「約30分の外出だったが持病もあり、体は強い方ではない」と話す。
「今夏の搬送者は例年の2~3倍。かなり多い」と話すのは救命救急センター長の木下順弘(よしひろ)さん(63)。今月に入ってから1日3~4人が搬送されており、多いのは午後1時~同6時の時間帯。自宅にクーラーを設置していない高齢者や、自身で予防行動が取れない「要支援者」が目立つという。
熱中症患者が運ばれてくると、衣服を脱がせて扇風機を当て、体表面を冷やす。次に、約4度に冷やした点滴(1リットル)を投与。大半は点滴で回復するが、体温調節能力が低い高齢者などは回復が遅れる場合も多い。23日夜に搬送された70代男性は当時、体温が40.9度。現在も意識が戻らず、人工呼吸器を装着している。木下さんは、「熱中症に伴い、持病の悪化を招くことが一番怖い」と話す。
だが、熱中症はほかの疾患と違い、百パーセント予防できる。木下さんはこまめな水分と塩分補給、そして「頑張りすぎないこと」を予防策として挙げる。「熱中症は自覚症状が分かりづらい。軽い目まいやふらつきを感じたら、すぐに作業を止め、無理しないことが大事だ」と話した。
熱中症になったら涼しい場所に移動し、首に冷たいタオルなどをまいて体温を下げるのが重要だ。ただ、極端に冷たい氷などを体に直接当てるのは、表面の血管が収縮して体内の熱が外に逃げにくくなるため逆効果。自分で動けないのは危険の兆候なので、すぐに救急車を呼ぼう。
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